プロフェッショナルデンティストリー STEP2
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2正確な診査・診断に基づく、エビデンスのある治療こそが求められている われわれ歯科医師は、患者から主訴となる問題を聞き出し、その部分に異常をみつけると、反射的にすぐに処置しようとしてしまう。他に問題があろうと、まずは主訴の部位の治療にとりかかることが多い。痛みを軽減させることによって患者の信頼を得ようという場合もあろうかと思うが、基本的には第1巻で述べられているように、全体の資料採得を行った後に診査・診断を行い、患者に説明して同意を得てから治療を開始するべきであろう。なぜなら、患者の要望や希望も聞かずに治療を行うと、患者の思いとは違った結果になってしまい、やり直しを余儀なくされることもあるからである。『患者が望む治療は何であるか』をしっかりと聞き出し、その上で• 正確で規格化された診査を行い、• 何が原因で、なぜこうなったのかをしっかりと診断し、• これから起こりうる状況の予測を立て、• 患者の希望も取り入れながら、エビデンスに基づいた治療計画を立案する(治療ゴールを設定する)ことをしなければ、『安心してメインテナンスできる環境』を構築することは難しい。患者の望む、審美、機能、構造、生物学的恒常性を満たすためには、現状の保険診療だけでは限界を感じることも多い。Chapter 1歯科治療の基本コンセプト13

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