プロフェッショナルデンティストリー STEP2
7/8

1)開拡窩洞の形と窩洞形成時の注意点 2根管性の場合、臨床的には舌側の根管を見落としやすいため、切縁を越える開拡窩洞がよい。特に側切歯は第2根管が開拡していることがあるが(50%程度)、大半は根尖部で癒合して根尖部は1つ(単根管/単根管孔:Weine 2型)である。また、歯冠部が大きく歯根が細いため、あまり歯冠部を大きく開拡すると、歯根部では近遠心側の歯質が少なくなる。2)歯内療法時の注意点 上述のように、2根管性のものを疑いながら根管口を探索、明示する。実際の歯根は近遠心からの圧ペイがあるため、エックス線写真でみえる歯根の近遠心幅よりもさらに細いことを念頭において拡大・形成を行う必要がある。3)支台築造時のポスト形成の注意点 歯根が細いため、長く太いポスト形成はできない。他の歯種よりは短めのポストにする。またポスト自体も細いテーパー状のもの使用する。Fig.5-6 下顎中・側切歯における解剖学的特徴と注意点●歯髄腔は、近遠心的には細いが、頬舌側的にはかなり太い。また下顎側切歯は圧ペイが強くなるため、2根管に分かれることもある。開拡窩洞の方向によっては、どうしても舌側の根管の見落としが生じやすいので注意する。●開拡窩洞は三角形とする。歯冠部の大きさに比べ、歯根部の細さを認識する必要がある。歯冠部の大きさに惑わされて開拡窩洞を大きくしてしまうと、歯根部歯質の過剰削除になりやすいので注意する。また、エックス線写真上での歯根の幅は最大幅(赤線部分)が撮影されているが、実際の歯髄腔が存在する歯根の凹部の幅は細い(青線部分)ので注意する。2下顎中・側切歯(Fig.5-6参照)Chapter 5根管内処置102

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です