プロフェッショナルデンティストリー STEP2
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1)開拡窩洞の形と窩洞形成時の注意点 切縁を越えない楕円形に開拡する。また歯頸部から2mmの歯質が残るように、歯頸部寄りの開拡部終末とする。頬舌側に歯髄が張り出しているため、開拡窩洞を円形とすると上部の規制が生じ、根管拡大・形成が不十分になりやすい。2)歯内療法時の注意点 作業長が長い歯が存在するので、そのような場合に備えて31mmのファイルのセットを用意しておく。それでも対応できない場合は、切縁を削除するか、最終的に補綴修復を計画している場合は前もって支台歯形成を行い、プロビジョナルレストレーションを装着することで作業長を短くする方法も考慮する。3)支台築造時のポスト形成の注意点 犬歯は、アンテリアガンダンスのキートゥースである。側方圧を受けやすいため、ポストの長さを十分に確保する必要がある。●歯根が長いため(作業長)、根尖部に十分なテーパー状の形成をすることが難しい。また根尖部のテーパーを意識しすぎると、歯冠部歯質の削りすぎにつながりやすい。できるだけ術前のエックス線写真などで根管拡大・形成後のイメージをもって処置にあたる必要がある。歯内療法後に補綴修復が決定している場合は、支台歯形成を行いプロビジョナルレストレーションを装着することで切縁を削除し、作業長を短くしてもよい。Fig.5-7 上下顎犬歯における解剖学的特徴と注意点(イラストは下顎犬歯)●開拡窩洞は切縁を越えない楕円形とする。3上下顎犬歯(Fig.5-7参照)Chapter 5根管内処置103

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