新 内科のツボ
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赤血球は約120日サイクルで産生、破壊されています。貧血は何らかの原因で赤血球数、ヘモグロビン量が減少した状態で、赤血球の産生が減少する場合と破壊が亢進する場合に分けられます。 産生の減少には主に月経開始にともなう思春期に多発する鉄欠乏性貧血(鉄が欠乏してヘモグロビンが作れない)、巨赤芽球性貧血(ビタミンB12や葉酸が不足して赤芽球が成熟できない:悪性貧血)、再生不良性貧血(骨髄の造血能力が低下する)などがあります。 破壊の亢進には溶血性貧血(赤血球の寿命がいろいろな理由で短くなる)などがあります。症状としては動悸、息切れ、めまい、頭痛などです。口腔内では粘膜が青白くなったり、舌乳頭萎縮による舌のヒリヒリ感、口角炎などがみられます。脳貧血とは原因が異なるので注意しましょう。貧血とは 白血病は、白血球または成熟して白血球になる細胞が骨髄で異常増殖する悪性腫瘍です。白血球は骨髄の幹細胞から成熟化した細胞です。急性白血病では成熟した細胞に分化できない芽球で骨髄がいっぱいになり、正常な造血ができなくなるので、赤血球や血小板が産生できなくなります。このため貧血、易感染性、出血傾向が起こります。 慢性白血病は幹細胞が腫瘍化したもので分化障害はなく、成熟した血球に分化できるため貧血などの症状は起こりません。急性化すると分化障害を起こすので、急性白血病と同じ重篤な症状になります。白血病とは 通常血液1μlには、15~35万個の血小板がありますが、血小板減少症とは10万個以下になった状態を指します。2~3万以下になると比較的小さな傷からも出血し、1万以下になると傷がなくても出血して危険な状態となります(P.24 COLUMN11:血液凝固のしくみ参照)。骨髄における血小板の産生が抑制されるものと、末梢での消費や破壊の亢進によるものがあります。原因としては白血病、再生不良性貧血、HIVや特発性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群などの疾患があります。血小板減少症とは 貧血、白血病、血小板減少症の場合、易出血性、易感染性、止血に注意する必要があります。5造血器疾患を持った患者さんが来院したら230

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