新 内科のツボ
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臨床検査は、病気の診断、治療、病気の早期発見や予防にとって大切な手段です。しかし、歯科で内科的治療を行うわけではないので、歯科においては歯科治療ができるのか、できるとしたら治療がどの程度行える病態なのかを判断するために必要な検査といえるでしょう。 治療に際して、内科医に患者さんの病態を照会したときや、患者さんの全身状態が良くないために内科医に紹介したときなど、内科医は歯科処置の可否の判断はできません。歯科治療の可否は、検査値ならびに報告書を参考に歯科医自身で判断しなくてはなりません。 ここでは歯科治療の可否を判断するとき、何を見ればよいか、どう判断すればよいかを解説してあります。 主治医に紹介した際、あるいは、内科医からの紹介状を受け取った場合に、恒常性に関係ある疾患について臨床値の読み方を解説してあります。1)血液一般検査1検査項目赤血球 RBC(Red Blood Cell Count)基準値男性:440~590万個/μl 女性:380~520万個/μl検査でわかること赤血球数が男性では、350万個/μl以下で女性では300万個/μl以下に減少すると、酸素の運搬能力が低下し、全身の組織細胞が酸欠状態になって貧血となる。検査の意義血液成分の大部分を占める赤血球は、ヘモグロビンを介して全身の組織細胞に酸素を運び、そこで不要になった二酸化炭素を運び出す働きをしている。毎日4、5万個が脾臓や肝臓で壊される一方で、同量の新しい赤血球が骨髄で生産されているが、何らかの原因でこのバランスが崩れると、数に変化が現れる。2検査項目ヘモグロビン Hb(Hemoglobin)基準値成人男性:13~18g/dl 成人女性:12~16g/dl検査でわかることヘモグロビンは赤血球の成分であるため、普通赤血球が減ると、それに連動してヘモグロビンも減少する。低値、高値の意味は赤血球と同様と考えてよい。 最低値が11g/dl以上なら問題ない。男女とも10g/dl未満では注意が必要で、7~8g/dl未満では抜歯禁忌である。検査の意義ヘモグロビン(血色素)は赤血球に含まれる成分で、全身の細胞組織への酸素や二酸化炭素の運搬役を果たしている。この検査は、ヘモグロビンの量を測定し、血液の酸素運搬機能の高低を推測するものである。必要なときに臨床検査値を活用しよう一目でわかる検査値の読み方1450

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