プロフェッショナルデンティストリー STEP4
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【症例の概要】 患者は27歳・女性。下顎右側臼歯部の疼痛(智歯周囲炎)と審美障害を主訴に来院した。初診時のICPでは歯列不正が著明で被蓋は浅く、左側の犬歯は上下顎とも歯列から大きく低位唇側に転位している。タッピングポイントが不安定で、顎位のズレが疑われるため、まずスプリントにより安定した顎位(CR)をみつけることが診断のスタートになる。Case 2-2 ICPとCRのズレが大きい症例aaCase 2-2a ICPの状態。この患者の主訴である審美障害の改善については矯正治療が必要となる。セファロ分析やセットアップモデルはCRの位置で行うことが重要であり、ゴールはICP=CRである。bbCase 2-2b ICPでのセファロエックス線写真。前歯部の垂直被蓋は浅いICPでのセファロ分析結果SNA 83.2SNB 79.3ANB 3.9Mandibular plane angle 27.1Y-axis 62.6ccCase 2-2c 下顎頭は関節窩のなかでCRに比べて前下方に位置する。【診断】Ⅰ級叢生症例【治療計画】上下顎左右第一小臼歯を抜歯しスペースを確保後、上下顎臼歯を若干近心移動させて臼歯のⅠ級関係を確保し、咬合高径の改善(減少)と前歯部垂直被蓋を顎間ゴムにて改善する。Case 2-2d ICPでの矯正治療の診断と治療計画。ICPでの検討Chapter 2咬合のとらえかた80

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