自家歯牙移植 増補新版
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CHAPTER 10 外科的挺出と意図的再植245Fig 12r,s 4の再植直後.肉芽組織を掻爬した抜歯窩へ,歯を戻した.歯根周囲を歯肉弁で完全に封鎖するために,舌側では抜歯窩の内縁上皮を外側へ翻転し,閉鎖に役立たせた.歯内感染はなかったので,歯根端切除は行わなかった.また,骨補填材や成長因子などの再生療法は併用しなかった.縫合糸による固定のあと,サージカルドレッシングで再植歯をカバーした.Fig 12t,u 4日後.ドレッシングと縫合糸の除去直後.同日に,ワイヤーと接着性レジンによる固定を行った.Fig 12y 4週間後.水酸化カルシウム製剤「ビタペックス」による仮根管充填がなされている.根管処置は再植後3週間で開始した.Fig 12z 5か月後.シーラーとガッタパーチャポイントによる根管充填直後.Fig 12aa 10か月後.ワイヤー固定は,術後7か月で除去されている.Fig 12v~x 4日後のCBCT像.4の近遠心,および舌側には根尖にまでおよぶ骨透過像があるが,頬側には歯根膜由来の層板骨が十分とはいえないまでも維持されている.すなわち,歯に依存しない骨が近心・舌側・遠心に十分存在すること,また,肉眼で頬側の歯根膜が歯根に付着しているのが確認できたことから,感染(歯石)の除去によって骨再生が期待できると想像できる.wzvyxaartsu4days4weeks5months10 months4days4coronalsagittalaxial

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