臨床家のための矯正 YEAR BOOK 2014
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059臨床家のための矯正YEARBOOK 2014スリーエム ヘルスケア株式会社 ユニテック製品部た.叢生の解消と口唇の突出感の改善のために4444を装置装着の前日に4本同時抜歯した.ブラケットはあらかじめ石膏模型にストレートワイヤーポジショニングし,インダイレクトコアを用いてボンディングした.加強固定のため₆₆にTPAをボンディングした.ブラケット装着時より25gfNi-Tiクローズドコイルを用いて3333の遠心移動を開始した. また,咬合の緊密化を図るために,上顎犬歯と下顎第一大臼歯の間で3/8インチの顎間ゴムの使用を開始した(図8a).ブラケット装着から4か月で叢生はほぼ解消し,犬歯の積極的な遠心移動はほぼ終了している(図8c).さらに上下顎とも50gfNi-Tiクローズドコイルにて前歯部の後方移動を開始した.10か月で空隙が閉鎖し第二大臼歯にブラケットを装着した.₂のトルクコントロールに時間を要したが,動的治療期間は1年2か月であった(図8f).上下口唇は後退し,側貌の改善がみられた(図7b,9,10).術後のパノラマエックス線写真より,明らかな歯根吸収は認められず,歯根の平行性にも問題がなかった.def図9a,b 側面セファログラムの比較.a:治療前,b:治療後.ab図10 セファロトレース重ね合わせ.動的治療開始時動的治療終了時

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