歯科衛生過程 HAND BOOK
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2.歯科衛生過程の6つのプロセス 歯科衛生過程は、以下の6つのプロセスから構成されています。図1-3に示すように歯科衛生アセスメントから始まり、順番に各プロセスをふみ、評価までを行い、その後また歯科衛生アセスメントに戻るという一連のサイクルになっています。各プロセスで行うことは以下のとおりです。プロセス① 歯科衛生アセスメント 現在、対象者に起こっていることや対象者の行動などを観察、聴取して問題を探し出し、その問題の原因を追究し、これから起こるであろうことを予測します。プロセス② 歯科衛生診断 問題を明確化し、原因を特定して記述します。問題の明確化が対象者を生涯支援していくためにもっとも重要です。プロセス③ 歯科衛生計画 問題を解決するための目標、ならびに計画を立てます。プロセス④ 歯科衛生介入 歯科衛生計画を実施し、対象者とともに問題の解決を行います。プロセス⑤ 歯科衛生評価 目標達成度と対象者満足度を評価し、歯科衛生介入の過程を評価します。プロセス⑥ 記録 上記①~⑤でわかったこと、考えたことをそのつど記録することです。 歯科衛生過程は、⑥の記録をふまえながら、アセスメントから評価までのプロセスをふんで進んでいきます。 歯科衛生過程は1人の対象者に対し、1回限りで終了するのでなく何度も繰り返し行うことによって、対象者の理解と歯科衛生介入の質が高まっていく性質のものです。例えば、始まりは「う蝕を悪化させないため」の歯科衛生過程でも、その目標達成後には、次の歯科衛生過程として「う蝕の再発防止のため」に目標が向上し、繰り返すうちに「口腔の健康を保ち、より良い生活を送るため」というさらなる高みにむかってスパイラルのように循環しながら発展していきます(図1-4)。2.歯科衛生過程の6つのプロセス

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