改定新版 インプラント治療に役立つ外科基本手技
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37Chapter4持針器の把持法人差し指による針先のコントロールそうすると持針器の回転中心は手首に後退し、今度は針先の円周運動のブレが生じてしまう(図4-5)。したがって、親指と薬指を輪に入れて中指と小指で薬指側の輪を前後で挟み、人差し指を脚部に軽く曲げて添える方法は理にかなっていると思われる。 ただし、どうしても手首が固く薬指を輪に通すと操作が不自由になってしまう術者、長年中指を輪に通すことに慣れてしまっている術者もいるので、中指を輪に通すことを完全に否定することはできないが、筆者らは初心者に対し、基本として前述の把持法を指導している。 さて、口腔内での縫合は複雑であるために、皮膚縫合と比較して臨機応変な把持法が要求される。たとえば、マチウ型持針器のような手のひら全体で持針器を握る把持法で運針したほうが楽に運針できる場合も多い。しかし、ここでも人差し指を持針器の脚部に添えることが重要である(図4-6)。針先のコントロールを正確にし、縫合針の円周運動を意識した運針を心がけたい。図4-4 持針器脚部に添えた人差し指が、持針器先端の動きをコントロールするとよい。図4-5 輪に中指を通す持針器の把持法では、持針器先端のブレが生じやすい。把持器を手のひら全体で握る把持法図4-6a,b 持針器を手のひら全体で握る把持法。a:手のひら側から見た場合。把持部は手のひら内に完全に収まり安定している。b:手背側から見た場合。図4-1と同様に人差し指を持針器脚部に添える。ba

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