インプラント YEAR BOOK 2015
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インプラントメインテナンス時代の到来―攻撃型インプラントから守備型インプラントへの移行―症例4-e~g 実際にフラップを開けると頬側骨が著明に吸収しており,インプラントプラスティによりシンプルな切除療法を行った.で.今後また何年かすると変わってくるのかもしれませんけれど.鈴木 そうやって処置法を使い分けることは,今後は必要になってくるかもしれませんね.インプラント周囲炎は「万が一に起こる症状」ではなくて,われわれが思っていた以上の罹患率で発生しているし,他院から患者さんが回ってくることもあるわけですから.中居 ええ.この半年間だけを見ても,自院のケース,他院から紹介されたケースを含めて,少しずつですがインプラント周囲炎の症例は増えてきています.まとめ―攻撃型のインプラントから守備型のインプラントへ大月 長年インプラント治療を手掛けている先生方は,最近は皆さんインプラント周囲炎の話をよくされますよね.自院でがんばってメインテナンスしていても,やはりゼロにはできないので,「困っているんだよね」という声を聞くことが多くなりました.しかしながら,どういった処置がベストなのか,まだ答えは出ていません.だからこそ私たちは,周囲炎に至る前に,“インプラント周囲粘膜炎で止めること”を意識する以外にないんだと思います.中居 そうですね.多くの先生方がインプラント周囲粘膜炎を傍観しているという現状には,正直違和感があります.「えっ? これは手をつけなきゃいけ症例4-j,k 術後4年.骨頂レベルは安定している.遠心はむしろ少し上昇しているようにも見える.軟組織の炎症所見も認められない.症例4-h,i 術後1ヵ月.骨頂レベルが下がり,アバットメントの露出が認められたが,PPDは3mmと改善し,プロービング時の出血も喪失した.症例4-h症例4-i症例4-e症例4-f症例4-g症例4-j症例4-k29

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