21世紀のペリオドントロジー ダイジェスト
1/6

100歯周病の天秤バランス1 小さな頃からずっと同じ歯科医院にかかりつけて、う蝕・歯周病の予防処置を受けている患者さんが増えてきました。そんな歯科医院の歯科衛生士さんたちは、学童期のう蝕予防のため、歯の適切な「脱灰↔再石灰化」バランスを維持するように口腔を管理しています。そして、患者さんが若年性う蝕の好発時期を超えると、次は「歯周病菌と歯周組織の共生」を守るサポートが必要となります。歯周ポケットからの出血が、定常状態のバイオフィルムを高病原性バイオフィルムへと変化させることをきっかけに歯周炎が発症します。患者さんの生涯を通じて、歯周病天秤バランスが崩れないように、患者さん一人ひとりの歯周病発症リスクを頭において患者さんをサポートしてください。歯周病天秤バランスの崩れた患者さんには、早期に歯周基本治療を行い、元の共生状態へと修復して下さい。山あり谷ありの患者さんの人生に寄り添って、口の健康を守っていただきたいと思います。歯科医療のパラダイムシフト2 21世紀になって歯科医療が変わってきました。「削る・詰める・切る・抜く」のリハビリテーション治療から、科学的病因論に基づいた予防歯科医療へのパラダイムシフトが起こっています(図8-1)。繰り返される「削る・詰める」が歯をダメにしているという反省から、削らないでう蝕を直す歯科医療が推奨されています。う蝕や歯周病を起こさない21世紀の歯科医療には歯科衛生士さんの存在がとても重要です。図8-1 歯科医療のパラダイムシフト。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です