Digital Dentistry YEAR BOOK 2015
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113Dプリンターと付加製造 3D printing(3Dプリンター)の類義語として、rapid prototyping(ラピッドプロトタイプ)、Rapid manufacturing(ラピッドマニュファクチュア)、Solid Freeform Fabrication(固体自由造形)、Additive manufacturing(積層造形、付加製造)が挙げられる。2013年に、米国大統領が一般教書演説の中で産業振興策としての3Dプリンターに焦点を当て、「3D print-ingはモノづくりに革命をもたらす」と言及したことから、「3Dプリンター」は一躍脚光を浴びるようになった。3Dプリンターは文字通り、プリンターヘッドのノズルを水平に動かしながら樹脂を噴出して、立体をスライスした断面の一層をプリントし、固まった層を次々に重ねて立体物を造形していく装置である。従来は、このような技法で試作品が作られたことから、ラピッドプロトタイプあるいは固体自由造形として知られていた。ラピッドプロトタイプとは試作品(prototype)を素早く(rapid)製作する方法として開発された技術で、CAD で設計した三次元データから直接的にモデルや部品を造形する方法を総称してきた。基本的には、図1の模式図に示すように、コンピュータ技術の進展で3D-CADで設計した立体情報をスライスして断面の一層のデータを作成し、次にその層を重ね合わせる三次元造形データを作成し、そのデータを基に樹脂、粉体、鋼板、紙などの材料を積層して立体造形する方法で、工業界では多品種少量生産に適した方法として急速に発展してきた技術である。3Dプリンターは、このような加工方法の代名詞的な呼称として一般にも周知されてきたが、基本的な加工技術としては、切削などによる「除去加工」とは反対の「積み重ね加工」が基礎になっている。2012年にASTM International(編集部注:旧・American Society for Testing and Materials〔米国材料試験協会〕)で、光造形法、粉末積層法、シート積層立体情報輪切りスライスデータの積層AdditiveManufacturing付加製造液槽光重合(Vat photopolymerization: VP)材料噴射(Material jetting: MJ)材料押出し(Material extrusion: ME)結合剤噴射(Binder Jetting: BJ)粉末床溶融結合(Powder bed fusion: PBF)シート積層(Sheet lamination: SL)指向性エネルギー堆積(Directed energy deposition: DED)図1 付加製造の原理。図2 付加製造の分類。

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