新 矯正歯科治療論
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126126第Ⅰ期矯正歯科治療の経過abaから3ヵ月後 上下顎両側第一小臼歯を抜歯した後,上顎右側側切歯を除く歯にBDとDBS,上下顎に0.016×0.016インチの形状記憶ワイヤーを装着した.2ヵ月後,上顎左右側犬歯の遠心移動を図った.この患者はヨーロッパから通院しているため来院間隔は不定期だが,なるべく6週間以内の通院を心がけていただいた.不定期かつ長い来院間隔に対応するため,形状記憶オープンコイルスプリングをLight, Medium, Heavyの順に用いた.またワイヤーは上下顎ともヒートアクティベーテッド0.016×0.016インチのチタン形状記憶ワイヤーを使用した.バイオテンプレートの使用を開始した.cbから4ヵ月後 下顎両側犬歯の遠心移動を行う.上顎と同様にオープンコイルスプリングの使用を開始し,その2ヵ月後,上顎のコイルスプリングの位置を側切歯と中切歯の間に移動した.その5ヵ月後,犬歯の遠心移動を終了した.この間の来院間隔は平均6〜7週間であった.また上顎右側側切歯,下顎左側側切歯にDBSをつけアライメントを図った.ddから8ヵ月後 上下顎前歯部の圧下,側方歯群のアライメントを図る.上顎には0.016×0.016インチのCCWユーティリティーアーチと0.016×0.016インチのCCWストレートセクションを,下顎には0.016×0.016インチのCCWユーティリティーアーチと0.016×0.016インチの形状記憶ワイヤーを用いた.その5ヵ月後,上顎前歯部の舌側移動を図るため,コントラクションユーティリティーアーチ TMAとCCWストレートセクションを装着した.

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