重要8キーワードに学ぶ すぐ見てわかるインプラント101症例集
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234567818章 Immediate placement7章 Implant follow-up6章 Orthodontic implant5章 Implant restoration4章 Computer aided surgery3章 Peri-implantitis2章 Sinus augmentation1章 Bone augmentation234567818章 Immediate placement7章 Implant follow-up6章 Orthodontic implant5章 Implant restoration4章 Computer aided surgery3章 Peri-implantitis2章 Sinus augmentation1章 Bone augmentation3程度の異なる骨喪失をともなう疾患の重症度に関係したインプラント周囲炎の有病率について インプラント周囲病変を診断するために種々の臨床的計測が行われているが、病変を把握するための指標として異なる閾値が用いられている。本研究の目的は、異なる診断的閾値を適用することにより、骨喪失の程度を考慮した各重症度でのインプラント周囲炎の有病率を検出し、インプラント周囲病変の有病率についての評価を行うものである。オスロ大学臨床歯科学研究所において1990年から2005年までの期間に歯科用インプラントを埋入された164名の患者に本研究への協力を依頼し、内109名が臨床検査に参加した(平均年齢:43.8歳、年齢幅:18〜80歳)。平均機能負荷期間は8.4年であった(標準偏差:4.6年)。被験者は臨床的、X線的に検査を受けた。インプラント周囲組織の状態を識別するための指標として、以下の項目による評価が行われた:X線上におけるインプラント周囲骨の喪失および炎症所見の有無。プロービング時出血をともなう4mm以上もしくは6mm以上のプロービングデプス。2mm以上もしくは3mm以上のX線上におけるインプラント周囲骨の喪失。 結果:異なるレベルの重症度におけるインプラント周囲炎の評価により、本研究の母集団において、その有病率には大きな幅(11.3%〜47.1%)が存在することがわかった。 結論:インプラント周囲骨の喪失の有無にかかわらず、インプラント周囲の炎症は高頻度に検出された。(Koldsland OC, Scheie AA, Aass AM. J Periodontol 2010 ;81(2):231-238.)10インプラント周囲炎の治療:どのような処置が効果的か? コクランシステマティックレビュー目的:インプラント周囲炎の治療のためのもっとも効果的な方法を同定する。 材料および方法:インプラント周囲炎の治療のための薬剤または処置法を比較した2011年9月までのランダム化比較試験(RCTs)について、The Cochrane Oral Health Group's Trials Register、CENTRAL、MEDLINE および EMBASEが検索された。主要評価項目はインプラントの喪失、X線写真での辺縁骨レベルの変化、合併症および副作用、そしてインプラント周囲炎の再発であった。 結果:異なった非外科的処置(5試験)、非外科的処置への付加的療法(1試験)、および異なった外科的処置(2試験)と外科的処置への付加的療法(1試験)。観察期間は3ヵ月から4年。4ヵ月後で、インプラント周囲骨を少なくとも50%失った患者において、手指によるデブライドメントへの付加的な局所抗菌薬投与は、0.61mmの平均プロービングアタッチメントレベル(PAL)の改善と、0.59mmのプロービングポケットデプス(PPD)の減少を示した。4年後において、3mm以上のインプラント周囲骨縁下欠損を、Bio-Ossと吸収性遮断膜で治療された患者は、ナノ結晶ハイドロキシアパタイトによって治療された患者と比較して、PALおよびPPDにおいて1.4mmの改善を示した。 結論:インプラント周囲炎を治療するための、もっとも効果的な処置を示す信頼できるエビデンスはなかった。このことは、今現在行われている処置に効果がないということを示すものではない。手指による歯肉縁下デブライドメントと局所抗菌薬の併用が、4ヵ月以上の期間で重度のインプラント周囲炎患者でのPALおよびPPDにおいて、0.6mmの改善に関係することを示した。インプラント周囲骨縁下欠損において、Bio-Ossと吸収性遮断膜を併用した場合、ナノ結晶ハイドロキシアパタイトと比較して、4年後で約1.4mmのPALとPPDの改善がみられた。4つの試験結果から、より複雑で高価な治療が、単純な歯肉縁下の機械的デブライドメント治療より有益であるということを示すエビデンスはなかった。(Esposito M, Grusovin MG, Worthington HV. Eur J Oral Implantol 2012 ;5 Suppl:S21-41.)51

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