カラーアトラス顎関節外科の手術手技
1/6

18外科的到達法の実際口内法 [intra-oral approach]開口位で下顎枝矢状分割術と同様の粘膜切開を加え、下顎枝前縁から骨膜を剥離し、下顎枝内面および外面を明示する。必要に応じて筋突起を基部で切断し、側頭筋付着とともに外側へ排除し、前方から下顎頸部へ到達する。関節突起の矢状骨折の整復に適応があるが、用いる機会は少ない。最近では、関節突起骨折に対する内視鏡支援下手術で、口内法の適応が報告されている。顎関節の拡大手術顎関節腫瘍や顎関節強直症では、病変の占拠が中頭蓋窩、咀嚼筋間隙に及ぶことがあり、この場合の到達法には、十分な視野のもと安全な手術を行うための慎重な考慮が求められる。ここでは、顎関節腫瘍切除における外科的到達法について説明する。経耳下腺的到達法 [trans-parotid approach、図11][皮膚切開と皮弁挙上] 延長S字頸筋膜切開法(Extended sigmoid-shaped cervico-fascial incision; ‘Lazy S’ incision) によって皮膚切開を行う5。[手術手順:顔面神経の剖出および可動化]①切開線のデザインは、耳内切開から下端を耳垂下まで延長し、さらに背側に向かって半円を描きつ経耳下腺的到達法 [図11]皮膚切開線のデザイン(延長S字頸筋膜切開法)。皮膚弁の展開。PG :耳下腺   GAN:大耳介神経EJV:外頸静脈abPGGANEJV

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 1

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です