歯科医院内の法律とルール
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PART1 歯科衛生士・スタッフにかかわる法律とルールを再確認!これは、歯科医院の診療室でよくある光景といえるかも知れません。個室になった診療室を設置するところは少なく、大部分は大きな部屋に診療用のチェアを並べているのが実情でしょう。チェアの間は十分な距離を取るのが望ましいといえますが、ある程度距離を取っても、同じ室内であれば歯科医師と患者さんの会話が聞こえてくるのは避けられません。患者さんを治療する際、歯科医師や歯科衛生士と患者さんとの相互コミュニケーションは不可欠です。患者さんが症状や治療の痛みを歯科医師などに伝え、また、歯科医師などが患者さんの口腔内の状況や治療方針、内容を伝えることで診療を有効かつ適切に進めることができ生命予後にかかわることや他人に知られたくない疾病などの情報については細心の注意を払おうます。相互の情報伝達の多くは会話によりますが、その内容が隣のチェアに座る患者さんに聞こえたからといって、ただちに秘密漏示になることはありません。というのは、歯科医師や歯科衛生士はその患者さんの診療秘密を漏示する目的がなく、また、上記の会話は診療上必要なものであること、また、診療室の状況から隣の会話を音的に遮断するのは不可能であり、患者さんが歯科医院に対して、隣の会話を聞こえないようにする施設を備えることを要求することはできないこと、さらに、当該歯科医院を受診する患者さんも、会話の内容が隣の患者さんにある程度漏れることを了承していると解することができるからです。もっとも、断片的であれ、他の患者さんに聞かせてならない情報があります。たとえば生命予後にかかわることや他人に知られたくない疾病などの情報です。そうした事柄について患者さんと話し合う場合は、他人に聞かれないよう細心の注意、配慮が要求されます。手技ミスがないのにクレームが出た場合は……。クレームにしないためのこんなくふう①  診療室編個室でない内装の歯科医院において、口頭で個人情報が含まれる情報をお伝えするときに、患者さんにストレスを与えない、クレームにしないためのくふうをしてみましょう。◦ 話し始める前にひと声かける◦ 院内にクラシック音楽をかける◦ センシティブな話題は別室(個室)でここでお口の問題のお話をしてもよろしいでしょうか13

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