改訂新版 開業医だから発見できる口腔がん
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61もしも異常が見つかったら~発見後の対処法~専門医に引き継ぐまでの口腔ケア&生活指導2軟らかい毛の歯ブラシを選択 バランスのとれた食事を摂るように指導します。適切な栄養摂取は、がん治療に耐えるための体力を養い・維持する、感染症から身を守る、手術や放射線治療にともなう組織障害からの再生を促す、などの効果があります。禁煙指導を行うことも大切です。口腔清掃の指導 がん治療中の口腔ケアに関して具体的な方法を指導します。ブラッシング、歯間清掃、口腔乾燥対策、うがい・すすぎなどを指導します。歯科治療 がん治療中に歯科治療を行う必要が出てこないように、歯科医師によるう蝕治療や歯石除去などの歯周治療、場合によっては(治療開始まで期間がある時)抜歯などの侵襲的治療をがん治療前に行います。義歯の不適合の調整なども必要になることがあります。また放射線治療にともない金属の補綴物を、レジンなどによる暫間補綴などに交換することもあります。 歯磨きは、軟らかい毛の歯ブラシで1日に3回、それぞれ3分ずつ磨くことを指導します。大切なのは毛の軟らかい歯ブラシを選び、刺激の強くない歯磨剤で丹念に磨くことです。また、1日1回、デンタルフロスを用いて歯の間を清掃するように指導します。アルコールを含まない洗口液の選択 うがい・すすぎは、こまめにする習慣を指導します。この時、洗口液にアルコールを含んだものは避け、抗菌作用のあるものを選ぶなどの指導をします。食事指導・禁煙指導がん治療の開始前に、口腔内の異常を発見し治療しておくことで、口腔合併症の発生や重症化を予防することができます。

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