歯周外科のハプニング&リカバリー
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麻酔切開術後対応デブライドメント(術中)剥離メインテナンス縫合Section2 ベーシック歯周外科3切開線のデザイン●切開のデザインは治療目的や歯周環境によって異なるが、まずは「術野への視野とアクセスが確実に得られる必要最小限の切開」を意識する(図9)。●「横切開(歯頸部に沿った水平方向の切開)」に「縦切開(歯軸方向の切開)」を上手に組み合わせて、シンプルなデザインを心がける(図10~16)。図7 押し切りのイメージ。#11、#12は先端が尖っており、骨に当てると刃は容易に鈍化するため、骨に強く当てない。粘膜骨膜弁形成のために骨膜までしっかり切開するためには、#15や#15cなどを用いて二度切りを行ってよい。ただし、最深部で切り足ししないと何本もの切開線を作りかねず、組織への損傷が大きくなるため注意する。図10 歯周外科の基本となるフラップ手術の場合、歯頸部に沿った横切開に、術野の確保や最終的な歯肉弁の位置づけなどを考慮しながら目的に応じて縦切開の必要性や位置、方向を考える。図8 粘膜骨膜弁を形成するならば、引き切りで一気に切開を進めたほうが組織へのダメージは少ない。しかし、実際の歯周外科手術では、歯周組織破壊が起こり、不整な歯槽骨形態であるため、引き切りできないことが多い。図9 切開線のデザインは治療目的や歯周環境によって変わるが、これを考えるうえで右記のような押さえておくべきポイントがある。●目的部位の視野とアクセスが確実に得られること●単純化され、処置が容易であること●必要以上の術野拡大をしないこと●創傷部を確実に閉鎖できること●角化歯肉を保存すること●術後の血液循環が滞らないこと●審美性を損なわないこと29

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