歯周外科のハプニング&リカバリー
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歯肉切除術インプラント周囲炎遊離歯肉移植術(FGG)歯槽骨切除術歯槽骨整形術レーザーによる歯周外科結合組織移植術(CTG)骨移植エムドゲインSection3 アドバンス歯周外科歯周組織再生誘導法(GTR法)インプラント治療における歯周外科の応用 露出時は再度縫合したりせず、周囲組織の炎症状態とデンタルエックス線写真で周囲骨を確認する。炎症がなく周囲骨の吸収が認められなければ、タフトブラシでの清掃を指導し、洗浄を行う。歯肉弁がカバースクリュー上に部分的に残存しているケースでは、二次手術を早めに行うこともある(図7)。しかし、初期固定は埋入3週目でもっとも低下するため、ヒーリングアバットメントの締結は、2か月以上待機した後、10N/cm以下で行うことが望ましい。 非吸収性PTFEは、わずかな吸水性をもち、口腔内に露出すると変色を認め、長期間の経過観察は移植骨が感染する可能性がある。しかし、メンブレンが露出したケースで早期にメンブレンを撤去すると骨再生量が低下するため、仮骨形成期である術後4週を経過してから撤去を行いたい(図8)。露出時はクロルヘキシジンによる洗浄と、軟毛ブラシによる露出メンブレン上のプラーク除去を行い、患者には含嗽剤の使用を指導する。Q4ハプニングカバースクリューが露出した!A4リカバリー移植材や、露出したインプラント体の表面、カバースクリュー周囲組織の状態を確認しよう。Q5ハプニングGBRメンブレンが露出した!A5リカバリー設置したメンブレンの位置と吸水による着色を確認しよう。図7a インプラント体埋入時。外側性勘合式のインプラント体を使用した。埋入深度はプラットフォームを骨頂と合わせたため、カバースクリューは骨面より突出している。図7b 埋入手術3週後。カバースクリューの部分的な露出が認められる。埋入術時の初期固定も良好であり、8週間の経過観察を行い、二次手術を行った。図8a インプラント体埋入後。埋入と同時に垂直および水平的骨造成を図るため、プラットフォームは骨頂よりも3mm歯冠側に位置するように埋入した。図8b メンブレン設置後。移植骨を被覆するようにチタン強化d-PTFEメンブレンを設置し、ボーンタッグで固定した。117

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