YEARBOOK 2017 最新エンドのグローバルスタンダード
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1 歯内療法のグローバルスタンダード2017と(図1)3はいうに及ばず,根管の解剖学的形態の観察,歯根破折の診断4,歯根の内部・外部吸収の診断(図2),歯根端切除手術などの外科的処置における術式の検討などに有用との評価がますます確たるものとなっている2. ところが,CBCTといえどもデンタルエックス線■デンタルエックス線写真上で観察されない根尖病変のCBCTによる検出例図1a デンタルエックス線写真(₇:文献3より許可を得て引用).図1b~d CBCT像.根尖透過像(矢印)が観察される(文献3より許可を得て引用).表1 歯内療法におけるCBCT適用のガイドライン(米国歯内療法学会・米国口腔顎顔面放射線学会の共同策定,2015年改定;文献5より要約).・小照射野の機種,撮影条件を採用・診断 ─通常の歯内疾患にはデンタルエックス線写真が第一選択 ─非定型的症状を呈する症例ではCBCTが推奨される・初回治療 ─根管形態の複雑性が予測される歯種,形態異常歯 ─石灰化した根管の探索(術前CBCTを行っていない場合) ─術直後の確認はデンタルエックス線写真で行う・非外科的再治療 ─デンタルエックス線写真で垂直歯根破折が診断困難な症例 ─治癒不全例の方針決定 ─各種偶発症(過剰根管充填,器具破折,穿孔)の評価・外科的再治療 ─術前診査(根尖と周囲構造との位置関係の診査,病変の広がりの診査)・その他の適応 ─インプラント治療,外傷,歯根吸収bacd■歯根外部吸収と思われる症例のCBCTによる術前診断(₆)図2a~d a:デンタルエックス線写真(₆).b~d:CBCT像.近心頬側根(₆)には歯根膜腔の拡大とそれに連続する根尖透過像が認められる.病変により頬側皮質骨は消失している.明白な破折線は認められないが,根尖部付近の頬側に外部吸収と思われる歯質の欠損が認められる.近心頬側根は保存困難と診断し,トライセクションを行った.bacd11別冊the Quintessence 「YEARBOOK 2017」

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