ベーシックプレスセラミックス
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50Part 1 製作理論編 1m2に1N(ニュートン)の圧力がかけられた状態が1Pa(パスカル)である。つまり1Pa=1N/m2である(図5-30)。プレスセラミックスの強度を表す単位として用いられているMPaは、このNの値が100万になった状態、つまり1m2に100万Nの荷重がかけられた状態である。 単位名としても名を残している、この定義を発見したBlaise Pascalは、「人間は考える葦である」の名言でも有名なフランスの物理学者であり、30歳でその生涯を終えるまでに現代まで用いられているさまざまな理論を見出している。中でも名前がそのまま用いられている「パスカルの原理」は、義務教育で履修するため一度は聞いたことがあるであろう。これは「密閉された容器内では圧力は常に一定である」という理論であり、油圧ジャッキなど身近な道具としてもさまざまな形で応用されている。 前述のように、密閉容器内においては圧力が一定に保たれているため、穴の大きさが変わることで流れる流量も変わってくる。大気圧下では「オリフィス径の2.5乗則」という法則があり、穴の大きさが2倍になれば、流れる流量は約6倍になる。これは砂時計の穴の大きさ等で応用される理論である。 これが密閉空間での加圧下となると、また若干理論が変わってくる。加圧下では、各穴に対する単位面積あたりの圧力が一定になり、密閉された場所から放出される流量は穴の径に比例することになる(図5-31)。 これをプレスセラミックスに置き換えれば、細いスプルーも太いスプルーも、プレスされる圧力に違いはないが、太いスプルーはその太さの分だけ充填量が多くなり、充填される速度も速くなるということである。Trouble-3-4反応層を抑える鍵は、余剰圧力のコントロールにあり図5-31 加圧下においては、単位面積あたりの圧力が一定になり、面積に比例する。図5-32 そのため、その流量は穴の径に比例することになる。これをプレスセラミックスに置き換えれば、細いスプルーも太いスプルーも、プレスされる圧力に違いはないが、太いスプルーはその太さの分だけ充填量が多くなり、充填される速度も速くなるということである。図5-30 1m2に1N(ニュートン)の圧力がかけられた状態が1Pa(パスカル)である。1N1Pa1m23132

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