ベーシックプレスセラミックス
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51Chapter 5 プレス時のトラブルの原因とその解決策Part 1 製作理論編Chapter 5 プレス時のトラブルの原因とその解決策 プレススケジュールには、プレスセラミックスが充填されてスケジュールが終了するまでの時間に、ある程度の余裕が係留時間として設定されている。そのため、その時間が反応層に与える影響を観察するために図5-33のような対比実験を行った。 この実験では、極太のスプルーと細いスプルーに対してそれぞれ同じワックスパターンを配置し、極太のスプルーを短く、細いスプルーを長くして充填されるタイミングをずらすようにコントロールしている。それぞれのスプルーには同じ圧力がかかるということは先に述べた通りであるが、長さを変えて極太のスプルーには即座に充填されるように短く設定し、細いスプルーには時間をかけて充填されるようにしているのである。 実験の結果、反応層は極太のスプルーを用いたプレス体に大量に付着し、細いスプルーを用いたプレス体にはほとんど付着しなかった(図5-34)。ただし、細いスプルーのプレス体ではスプルー植立した対極の部分になめられが生じてしまい、湯流れ不良の状態となった。図5-33 極太のスプルーと細いスプルーに対してそれぞれ同じワックスパターンを配置し、極太のスプルーを短く、細いスプルーを長くして充填されるタイミングをずらすようなプレスを行った。図5-34a~c 反応層は極太のスプルーを用いたプレス体に大量に付着し、細いスプルーを用いたプレス体にはほとんど付着しなかった。ただし、細いスプルーのプレス体ではスプルー植立した対極の部分になめられが生じてしまい、湯流れ不良の状態となった。abc

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