PRD YEAR BOOK 2017
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別冊the Quintessence PRD YEARBOOK 2017   掲載論文 Highlight【全文翻訳】図1 外科術式のシェーマ。(a) 台形フラップ。(b)台形フラップ。減張切開の起始点の決定方法を示すシェーマ。CEJの歯冠側1mmに位置する中点を通り、歯肉乳頭部先端をつなぐCEJに平行な曲線の長さを、矯正用ワイヤーを用いて測定する(白い点線)。ワイヤーは歯肉退縮欠損部の最歯根側へ移動し(赤い点線)て、半側ずつ退縮した歯肉マージンに沿って屈曲する(青い点線)。三角形のフラップを構成する2本の斜切開(黒線)は矯正ワイヤーの断端から開始し、隣接健全歯の軟組織マージンに平行して歯肉歯槽粘膜境を越えて延ばす。部分層部分層部分層部分層部分層全層1 mmy部分層部分層部分層部分層yy部分層部分層部分層部分層部分層全層1 mm部分層部分層部分層部分層ab患者の審美的評価Patient evaluation of esthetics 患者の審美満足度が視覚的アナログ尺度(以下VAS)に基づいて、フォローアップ3ヵ月、6ヵ月、ならびに1年時に評価された10。審美性の客観的評価Objective evaluation of esthetics 審美性の客観的評価は歯周病専門医であるCMにより術後評価1年時において行われた。彼は臨床評価も手術も担当していなかった。色調の整合性と根面被覆がVASにより点数化された;ケロイド形成と連続性は二分法で評定された13。外科術式Surgical techniques すべての手術は歯周病専門医であるGZにより行われた。 対照群の歯肉退縮は、De SanctisとZucchelliにより報告された台形のCAF7により治療された。 実験群の歯肉退縮は、改良型三角形のCAFにより治療された。2本の斜切開の起始点を正確に決定するために、歯肉乳頭先端どうしをつなぎ、CEJから歯冠側1mmにある中点を通るCEJに平行な曲線の長さが矯正ワイヤーを用いて測定された(図1)。この曲線は、歯冠側へ伸展後のフラップマージンの周長を示すものであった。その後ワイヤーを退縮欠損部位の最根尖側へとずらし、ワイヤーを半側ずつ歯肉退縮部位の歯肉辺縁に沿って屈曲した。外科的乳頭部組織に解剖学的歯間乳頭と同様の形態を付与するため、三角形フラップにおける2本の斜切開を矯正ワイヤーの断端から開始し、隣接する健全歯の軟組織マージンに沿って平行に入れていき、歯肉歯槽粘膜境を越えて延長した。フラップの挙上は台形フラップと同様に行われた:根尖‐歯冠側方向に部分層‐全層弁と部分層弁を適用した。辺縁部の軟組織を頬側骨頂部から3mm根尖方向へ移動するため、頬側歯肉溝内に直接骨膜起子を挿入して全層弁が挙上された。これはすべての角化組織を温存し、軟組織の内表面に存在する、血液供給のない根面露出を被覆するための骨膜を維持してくれる(図2)。台形のCAFと三角形のCAFの主な違いは、台形の外科的乳頭組織は歯冠側に向かって真っすぐに移18

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