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講演や雑誌でよく見る、矯正歯科の分類および文献15埋伏犬歯の分類と治療法Impacted tooth埋伏歯の原因による分類局所的要因(萌出障害と局所的病因)全身的要因遺伝的要因◦乳歯晩期残存  ◦乳歯の早期喪失◦乳歯の予防的抜歯  ◦乳歯の根尖性歯周炎◦顎顔面の外傷  ◦骨性癒着◦過剰歯  ◦歯牙腫などの腫瘍◦各種嚢胞  ◦歯小嚢の拡大◦歯肉および歯槽骨の肥厚  ◦慢性骨髄炎◦隣接歯の位置および形態異常◦巨大歯、基底骨狭小などによる萌出余地不足  など◦くる病(ビタミンD欠乏症)など◦両側性の歯胚の位置や萌出方向の異常◦ダウン症◦鎖骨頭蓋異形成症◦外胚葉異形成症◦先天性甲状腺機能低下症(クレチン病)など出典 Becker A, Chaushu S. Etiology of maxillary canine impaction: a review. Etiology of maxillary canine impaction: a review. Am J Orthod Dentofacial Orthop 2015;148(4):557-567.Bishara SE. Impacted maxillary canines: a review. Am J Orthod Dentofacial Orthop 1992;101(2):159-171.さまざまな埋伏歯の治療法❶異所萌出や埋伏の予防目的の抜歯:上顎犬歯の場合、予兆(右図参照)が見られたら8~9歳で先行乳犬歯の抜歯を検討する❷萌出障害因子の除去:矯正歯科治療や抜歯で萌出スペースを確保したのちに経過観察する❸局所的病因の除去:萌出を妨げる石灰化物、歯牙腫、過剰埋伏歯などを除去したのちに過観察する❹開窓して経過観察❺開窓して牽引、萌出誘導:唇側では付着歯肉獲得のために歯肉弁根尖側移動術なども検討する❻骨性癒着があれば亜脱臼し、牽引や再植、移植、抜歯などを検討する❼埋伏歯を抜歯し、隣在歯を移動させ、空隙を閉鎖する❽埋伏歯を抜歯し、空隙を埋める補綴治療を行う❾未治療、経過観察:埋伏歯が高位にあり萌出誘導や抜歯が困難な場合。先行乳歯があれば抜歯して萌出スペースを可及的に確保し、経過観察する91%64%先行乳犬歯の抜歯:パノラマエックス線写真で、近心傾斜した上顎永久犬歯の咬頭が側切歯中央より近心または遠心にあった場合、先行乳犬歯の抜歯により1年半後に正常に萌出する割合を示す。このような場合、先行乳犬歯を抜歯して萌出スペースを確保することを検討する。190

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