早期治療
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歯列交換期のスペースマネジメント884に開き活性化させる(図4-19)。スペースの両側でアップライトさせた歯に力を加えたい場合、ここまでに挙げた3つのリゲイナーが用いられる。前方の歯へ力を加えるのではなく大臼歯の遠心移動のみが必要な場合、装置の設計に固定源を求める必要がある。 アンカードリゲイナー(遠心移動装置)  このタイプのリゲイナーは、臼歯部にのみ力を伝え、前方の歯に力を作用させないよう設計する。Nanceタイプの大臼歯遠心移動装置:固定源を有する固定式スペースリゲイナーの一種で、上顎大臼歯の遠心移動で用いられる。Nanceのホールディングアーチのアクリルレジンボタンを口蓋に設置することによって、前歯部に作用する力を排除し、大臼歯の遠心移動を行う(図4-20)。このタイプの片側性リゲイナーは、上顎で大臼歯のみに力を作用させたい場合に使われる。スライディングループ付きリンガルアーチ:この装置はスライディングループリゲイナーと同様のデザインであるが、固定源を供給し前歯部への反作用を防ぐ目的で、反対側の大臼歯バンドに連結されたリンガルホールディングアーチが付与されている(図4-21)。図4-17 片側性の固定式スライディングループリゲイナー。図4-21 スライディングループ付きのリンガルアーチ。(Great Lakes Orthodonticsのご好意による)図4-18 Gurinロックリゲイナー。図4-22 ペンデュラム装置。この図の装置では右側大臼歯にスプリングの活性化を行っており、拡大スクリューも組み込まれる。図4-19 バンドUループリゲイナー。(Great Lakes Orthodonticsのご好意による)図4-23 ディスタルジェット装置。大臼歯の遠心移動を行う。(Great Lakes Orthodonticsのご好意による)図4-20 Nanceタイプの大臼歯遠心移動装置。a:装置装着時。スペース喪失が認められる。b:治療終了時。スペースの回復が認められる。ab

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