早期治療
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89ペンデュラム装置(大臼歯遠心移動装置):固定式で両側性・片側性に用いる大臼歯遠心移動装置の一種である。両側第一乳臼歯あるいは小臼歯に装着された2つのバンドと、口蓋に設置されたアクリルレジンボタンによって良好な固定源が供給される。またβ-チタンスプリングの一端がアクリルレジンボタン部に埋め込まれ、もう一端は取り外しができるよう口蓋側のチューブに挿入されている(図4-22)。装置は、来院ごとに活性化する。このタイプの装置は、永久歯列期におけるスペース喪失やⅡ級の大臼歯関係を改善するために使用される。ディスタルジェット装置:両側性・片側性に用いられる固定式の大臼歯遠心移動装置であり、固定源となるアクリルレジンボタンを有する。バンドはセメント合着されており、オープンコイルスプリングが付いた2つのバーは、活性化するために埋め込まれたチューブに挿入されている。この大臼歯口蓋側のチューブに連続されているバーは着脱可能で、コイルスプリングを再活性化することができる(図4-23)。2×4装置:混合歯列前期・中期に切歯の排列(スペース閉鎖、交叉咬合の改善、正中線の移動など)が必要な患者に用いることで、大臼歯の遠心移動とスペースリゲイニングが達成される。連続結紮された切歯と大臼歯バンドのチューブ間に挿入されたオープンコイルスプリングによって、弱い力が大臼歯に作用する(図4-24)。図4-24a~d:オープンコイルスプリングを挿入した2×4装置。上顎第二小臼歯のスペースリゲイニングを行っている。図4-25 セクショナルアーチワイヤー。写真では上顎右側小臼歯のスペースを広げるために使用している。図4-26 ホーレーの可撤式スペースリゲイナー。ジャックスクリューが付与されている。a、b:上顎の両側性可撤式リゲイナー。c:下顎の両側性可撤式リゲイナー。d:上顎の片側性可撤式リゲイナー。bcabadcdスペースリゲイニング

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