PRD 2月
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11Volume 23, Number 1, 2015吸収性ドーム型装置と骨誘導再生法:インプラント周囲骨欠損処置のもう一つの選択.ケースシリーズStefano Parma-Benfenati, MD, DDS, MsD1Marisa Roncati, RDH, DDS2Primo Galletti, MD, DDS3Carlo Tinti, MD, DDS1,4Original Title:Resorbable Dome De-vice and Guided Bone Regeneration: An Al-ternative Bony Defect Treatment Around Im-plants. A Case Series要約(Abstract) 本ケースシリーズは,長期間で持続的に吸収する縫合糸材料で作られた吸収性「ドーム型装置」を使用して隔離された空間を作り,維持するバリアを支持することにより骨再生が促進されることを示す.インプラント埋入と同時に,無細胞性真皮基質あるいは架橋吸収性コラーゲンメンブレンをバリアとして,非脱灰凍結乾燥他家骨移植材料を併用し,スペースメーキングができない欠損部の再建に用いた.6名の健康な患者に埋入した8本のインプラントが,この吸収性再生材料の併用によって処置された.7本のうち1本だけは,1回法で処置された.すべての部位は完全に被覆されており,治癒期間中の露出は認められなかった.9~24ヵ月目の二次手術時,臨床的な骨密度は既存骨と同等であり,平均露出スレッド数は0.5であった.全症例において,露出スレッドの被覆率は約87.5%であり,平均3.12mmの頬側骨の厚みが獲得された.(Int J Periodontics Restorative Dent 2014;34:749-755. doi: 10.11607/prd.2128)1Teaching Professor, Master’s Program in Periodontology, Dental School, University of Turin, Turin, Italy; Private Practice, Ferrara, Italy.2Teaching Professor, Master’s Program in Prosthodontics, Dental School, University of Bologna, Bologna, Italy. Private Practice, Ferrara, Italy.3Private Practice, Ferrara, Italy.4Private Practice, Flero, Italy.Correspondence to: S. Parma-Benfenati, Corso Giovecca 155/A, 44121, Ferrara, Italy; fax: +390532 210522; email: info@studioparmabenfenati.it. 骨誘導再生法(以下GBR法)の生物学的原理が歯周,インプラント治療に良好に応用されている.この20年間,本術式を用い,インプラント埋入前後の数多くの骨欠損を処置可能であることが,臨床研究で証明された1. GBR法は骨内インプラント周囲の骨再生に効果があると証明されており,機能荷重した際,GBR法によって再生された骨が既存骨と同等に反応することが示されてきた2-5. GBR法の原理のより良い理解とより洗練された外科テクニックが,より良い治療結果をもたらす.近年,インプラント処置時の骨欠損の治療に吸収性バリアメンブレンを応用したいくつかの研究が報告された6, 7.臨床結果は,非吸収性メンブレンを応用した以前の結果と同等であった.数多くの吸収性材料とスペースメーキング装置が市場に導入されている8. スペース確保と創傷の安定化においては,いまだ課題が存在している.適切な血餅が,干渉されず定着できるだけの十分なスペースの確保と維持が目標である.これが,再生することができる最大のボリュームとなる.既存骨壁が少なくなればなるほど,メンブレンの陥没を防ぐのがより困難であることが,臨床上すでに証明されている.

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