PRD 2015年6月
2/4

25Volume 23, Number 3, 2015位置不正インプラント修正のためのピエゾサージェリーと 選択的仮骨延長術の併用:症例報告Stefano Parma-Benfenati, MD, DDS, MScD1Giuliano B. Maino, MD, DDS2Original Title:Combined Piezosurgery and Selective Distrac-tion Osteogenesis to Correct Malpositioned Implants: A Case Report要約(Abstract) この症例報告では,上顎前歯部において,大きな位置不正がある2本のインプラントに対して,機能的かつ審美的な修復ができるようにするために,インプラントを個々に移動させ,位置修正ができたピエゾサージェリーと矯正歯科治療の併用について示す.(Int J Periodontics Restorative Dent 2015;35:161-167. doi: 10.11607/prd.2126)1Visiting Professor, Master’s Program in Periodontology, Dental School, University of Turin, Turin, Italy; Private Practice, Ferrara, Italy. 2Visiting Professor, Orthodontics, University of Ferrara, Ferrara, Italy, and University of Insubria, Varese, Italy; Private Practice, Vicenza, Italy.Correspondence to: Dr S. Parma-Benfenati, Corso Giovecca 155/A, 44121 Ferrara, Italy; fax: +390532 210522; email: info@studioparmabenfenati.it. インプラント治療は,喪失した歯の補綴手段として広く用いられるようになってきている1.インプラント治療は,長期的に良好な結果が示されているものの,不適切な位置への埋入により,生物学的,機械的,機能的,審美的な問題が起こる2-4.オッセオインテグレーテッドインプラントは歯根膜を有していないため,周囲の骨と一体化した状態にてのみ移動することが可能である. 骨塊を移動するには,一気に移動させてしまう方法または通常では仮骨延長装置を用いて仮骨延長の原理に従い骨塊を徐々に移動させていく方法が示されている5. 外科的アプローチでの選択的仮骨延長術の併用では,まずインプラント周囲の骨切り術にてインプラントに可動性を与え,続いて理想的な位置へ移動させていく.治療の要点(Therapeutic solutions) 治療成功にもっとも適切な治療方法を決定するためには,適切な診断をすることが不可欠である. 中等度から重度の,妥協を要する臨床的状況を有する症例において,以下の5つの治療法が選択可能である6-12.⑴‌�露出したインプラントを被覆するための歯肉歯槽粘膜への外科手術⑵‌�インプラントを歯肉縁下のままとして,通常の歯の欠損補綴を行う⑶‌�トレフィンバーにてインプラントを除去後,適切な治癒が得られるよう

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です