PRD 2015年8月
2/4

23Volume 23, Number 4, 2015天然歯とインプラントにおけるモノリシックおよびMVジルコニア修復の連続ケースシリーズ:最長68ヵ月の調査Michael Moscovitch, DDS, CAGS1Original Title:Consecutive Case Se-ries of Monolithic and Minimally Veneered Zir-conia Restorations on Teeth and Implants: Up to 68 Months要約(Abstract) 本研究の目的は天然歯とインプラントの両方における,機能的なモノリシックジルコニアと唇面にのみ長石系セラミックを築盛した最小被覆ジルコニア(以下MVジルコニア;機能性はないが,歯の審美性の向上または歯肉構造の置換を目的とした歯の表面上の長石系セラミック)の性能を評価することである.このオープンエンドの連続ケースシリーズにおいては,68ヵ月間にわたり,開業歯科医院において天然歯およびインプラントの修復が施行された,あらゆるカテゴリーに属する16歳から92歳までの238名の患者,365ケース,1,022の修復物を調査した.対象患者において追跡調査を行った修復物に関するパラメータは,ジルコニア構造および長石系セラミックのMVジルコニアの破折,クラックそしてチッピングであった.本研究に組み入れられた修復症例にこれらのパラメータに関する合併症は観察されなかった.(Int J Periodontics Restorative Dent 2015;35:315-323. doi: 10.11607/prd.2270)1Assistant Clinical Professor, Department of Restorative Sciences/Biomaterials, Goldman School of Dental Medicine, Boston University, Boston, Massachusetts, USA; Lecturer, Faculty of Dentistry, Dental Residency Program, Jewish General Hospital, McGill University, Montreal, Québec, Canada.Correspondence to: Dr Michael Moscovitch, 4150 St Catherine St West, Suite 210, Montreal, Quebec, Canada H3Z 2Y5; fax: 514-935-5261; email: drmoscovitch@mospros.com. 最先端の高強度セラミックを使用する場合,損傷や摩耗を回避し,審美性および歯科修復の転帰を向上させることが適応の目的となる.支持,機能の多様性から天然歯またはインプラントの両方に適用できるジルコニアは,セラミックの比較的もろいという問題を回避し,ジルコニアセラミックの使用が支持されてきている. ジルコニアは歯科と医科の両分野における学術的報告で,その高い強度およびすぐれた生体適合性が十分に実証されている材料である1-4.歯科では,ジルコニアセラミックは長石系セラミックとの二層構造をなす歯科修復の際のコーピングやフレームワークのみならず,インプラント,インプラントのアバットメント,ポストおよびコア,矯正用ブラケットとしても使用されている5-7. 過去十年間で,固定性補綴装置において,非ジルコニア系およびジルコニア系のオールセラミック修復物の使用が劇的に増加している.Wangら8は,使用された材質に関係なく,オールセラミッククラウン(二層構造)で修復された歯の5年間による破折率は4.4%であったと報告した.臼歯部は前歯部よりも高頻度でベニアの破折が発生した.大臼歯は小臼歯よりもクラウンの

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です