PRD 2015年8月
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43Volume 23, Number 4, 2015インプラントもしくは天然歯と連結したインプラント支持の部分義歯の,2年間の臨床的およびX線的な比較評価Tamer Mohamed Nasr Mostafa, BDS, MSc, PhD1Mohamed M. El-Sheikh, BDS, MSc, PhD2Fadel El-Said Abd El-Fat-tah, BDS, MSc, PhD2Original Title:Implant-Connected Ver-sus Tooth-Connected Implant-Supported Par-tial Dentures: 2-Year Clinical and Radio-graphic Comparative Evaluation要約(Abstract) 本研究の目的は,下顎のインプラントもしくは天然歯と連結したインプラント支持の術者可撤式部分義歯を臨床的およびX線的に比較することであった.下顎にKennedy分類classⅡの部分欠損を有し,3ユニットの術者可撤式スクリュー固定の部分義歯を受け入れた20名の患者(25~50歳)を,均等に2グループへと分配した.グループ1は片側の下顎大臼歯および小臼歯の欠損を有する患者で構成し,2本のインプラントを下顎第一小臼歯部と第一大臼歯部へと埋入した.グループ2は下顎大臼歯と第二小臼歯の欠損を有する患者で構成し,1本のインプラントを下顎第一大臼歯部へと埋入し,第一小臼歯を形成してコーピングを合着用セメントを用いて装着した.いずれの症例もベースライン時(部分義歯装着時),6ヵ月,12ヵ月,24ヵ月後で臨床的およびX線的に評価を行った.データを収集し,反復測定の一元配置分散分析法および反復測定の二元配置分散分析法を用いて統計分析を行った.2グループ間に統計学的な有意差はなかった(P>.05).インプラントと天然歯を支持とする補綴装置は,インプラントの生存率や辺縁骨の吸収の観点から,完全なインプラント支持による補綴装置と比較しても同様に予知性のある治療オプションであった.(Int J Periodontics Restorative Dent 2015;35:335-343. doi: 10.11607/prd.2310)1Lecturer, Prosthodontics Department, Faculty of Dentistry, Tanta University, Tanta, Egypt.2Professor, Prosthodontics Department, Faculty of Dentistry, Tanta University, Tanta, Egypt.Correspondence to: Dr Tamer Mostafa, Prosthodontics Department, Faculty of Dentistry, Tanta University, Tanta 31111, Egypt; email: tifournasr@gmail.com. 臼歯の欠損を有する患者に対しては,多くの治療オプションを用いることができる.現在の歯列を安定させ,歯列の延長を行わず咬合を改善することで,現状を維持することができる.代わりに,欠損歯は術者可撤式部分義歯1-4,固定式部分義歯(以下FPD)によるカンチレバーブリッジ5, 6,歯を支台とするオーバーデンチャー7,もしくはインプラント支持による補綴装置8のいずれかの方法を用いて遠心へ歯列を伸ばすことで,欠損歯を再建することが可能である.こんにち,臼歯の欠損に対してどれが理想的な治療方法であるのかはいまだに明確ではない. オッセオインテグレーションを利用したインプラント治療は,無歯顎や部分欠損を有する患者に対して予知性の高い治療を可能にしてきた.しかしながら,部分欠損の患者に対してインプラントを用いることは,インプラント支持によるFDPを支台歯として天然

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