PRD 2015月10月
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21Volume 23, Number 5, 2015メンブレンと骨補填材料を用いた同時法水平的骨増大術:組織学的,二重盲検,並行群間,無作為化比較対照試験Mauro Merli, DDS1,2Marco Moscatelli, DDS1Giorgia Mariotti, DDS1Umberto Pagliaro, MD, DDS3Lorenzo Breschi, DDS, PhD4Annalisa Mazzoni, PhD4Michele Nieri, DDS, BSc5Original Title:Membranes and Bone Substitutes in a One-Stage Procedure for Horizontal Bone Aug-mentation: A Histologic Double-Blind Parallel Randomized Controlled Trial要約(Abstract) この組織学的,二重盲検,並行群間,無作為化比較対照試験の目的は,同時法における水平的骨増大術において無機質の骨ミネラル‐コラーゲンメンブレン(BB)とβリン酸三カルシウム‐心膜コラーゲンメンブレン(CJ)を比較することであった.生検は術後6ヵ月後のアバットメント連結時に再生部位より行った.5名の患者をBB併用に割付け,5名の患者をCJ併用で治療した.移植6ヵ月後のアバットメント連結の際に,骨髄腔や軟組織を参考にした場合残存移植材料の割合がCJ群のほうでより多い傾向にあったが,組織形態計測的な比較において有意差は認められなかった(P=.0759).(Int J Periodontics Restorative Dent 2015;35:463-471. doi: 10.11607/prd.2418)1Clinica Merli, Rimini, Italy.2Professor, Politecnico delle Marche, Ancona, Italy.3Private Practice, Florence, Italy.4Department of Biomedical and Neuromotor Sciences, DIBINEM.5Department of Surgery and Translational Medicine, University of Florence, Florence, Italy.Correspondence to: Dr Mauro Merli, Viale Settembrini 17/O 47923, Rimini, Italy; fax: +39-0541-52308; email: mauromerli@gmail.com. インプラントを埋入する部位の解剖学的状態を改善するために,患者によってはインプラント治療に骨増大術が必要なことがある.このような再建的手術は種々のバイオマテリアルとテクニックを用いて,インプラント埋入の前(段階法),もしくは同時に(同時法)行われる1. 同時アプローチは治療回数と費用が少ないので,患者,術者に好まれる方法である2. 増大術は二つのカテゴリーに大別される:インプラント体が埋入できる十分な幅径まで頬舌的に受容側の骨幅を広げることを目的とした水平的な骨増大術と,インプラント体が埋入できる十分な長さまで受容側の骨の高さを増大させることを目的とした垂直的な骨増大術である1. 水平的な骨増大術としてよく紹介されているのは骨誘導再生法,歯槽堤分割/拡張術,自家骨もしくは他家骨のブロック移植である3. 同時法による水平的骨増大術において,自家骨,他家骨,異種骨,人工材料などの種々の移植材料とメンブレンとの併用がよく行われている4-8.さらに,チタンインプラントの表面性状は裂開型の欠損での骨再生に関与している9. いくつもの水平的骨増大術に関するシステマティックレビューは発表されているものの1, 2, 7, 10-12,ヒトにおいては,同時法の無作為化比較対照試験(以下RCTs)は不足している.これらの研究では,異なるメンブレンを使

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