PRD 2015月10月
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31Volume 23, Number 5, 2015CAD/CAMを用いた全顎補綴装置製作時の臨床および技工手順Senthil Keerthi, DDS1Periklis Proussaefs, DDS, MS2Jaime Lozada, DDS3Original Title:Clinical and Laboratory Steps for Fabricating a Complete-Arch Fixed Prosthesis Using CAD/CAM要約(Abstract) 上顎の全顎補綴装置製作の際には,複雑で困難な工程が関与している.発音や審美性,適切なリップサポートを達成することが,いかに複雑で困難であるかについての報告は多いものの,そのような煩雑性を最小限に抑えるための臨床および技工での手順に関する報告は多くはない.本論文は,臨床家がコンピュータ支援設計/コンピュータ支援製造(CAD/CAM)を用いた上顎のインプラント支持の全顎補綴装置を製作する際に,より予知性の高い修復を達成するための臨床および技工における手順を提示する.本法は最終補綴装置製作に先立ちCAD/CAMによりインプラント支持の診断用ワックスアップを行い,ポリメチルメタクリレートの暫間補綴装置を製作する方法である.(Int J Periodontics Restorative Dent 2015;35:473-480. doi: 10.11607/prd.2472)1Postgraduate Student, Advanced Education Program in Implant Dentistry, Loma Linda University, Loma Linda, California, USA.2Assistant Professor, Advanced Education Program in Implant Dentistry, Loma Linda University, Loma Linda, California; Private Practice in Prosthodontics, Ventura, California, USA.3Program Director, Advanced Education Program in Implant Dentistry, Loma Linda University, Loma Linda, California, USA.Correspondence to: Dr Periklis Proussaefs, 3585 Telegraph Road, Suite C, Ventura, CA 93003, USA; email: DrProussaefs@gmail.com. インプラント治療は,無歯顎1もしくは部分欠損患者2, 3に対する処置方法として確立されている.インプラント支持による全顎補綴はさまざまな技術面や補綴治療の合併症1, 4, 5とともに,長期予後における高い成功率4が報告されてきた.上顎のインプラント支持による全顎補綴は,審美性や発音などの要素とかかわりをもつことから,高い関心が寄せられてきた7-10.したがって,上顎のインプラント支持による全顎補綴装置製作の際には,十分な治療計画が必要とされる.上顎顎堤の歯槽部吸収の程度と,十分なリップサポートの回復の必要性は,上顎のインプラント支持による全顎補綴装置製作の可能性を決定付ける要因と考えられる6-12.臨床場面において上顎歯槽部の著しい顎堤吸収症例に対しては,インプラント支持による義歯が高い審美性や発音の回復を実現しうる8-11.上顎のインプラント支持による全顎補綴装置に対してフレンジを付与することで,口腔衛生環境を改善することも可能である6-8. このように上顎のインプラント支持による全顎補綴に対して,注意深い治療計画や設計が求められるものの10, 13, このような補綴装置製作に対する技工と臨床の指針に関する文献は不足している.本論文では,補綴装置を仮に製作する従来のワックスアップと,新たに開発されたコンピュータ支援設計/コンピュータ支援製造(以下CAD/

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