QDI 5月
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光機能化:世界標準化に向けて緊密にリンクする基礎研究の成果と現場の臨床成績大竹歯科クリニック日本臨床歯周病学会認定医大竹 敦Atsushi Otake丹野歯科医院5-D Japan会員日本口腔インプラント学会会員丹野 務Tsutomu Tanno二ツ木歯科医院経基臨塾近未来オステオインプラント(IPOI)学会渡辺昌孝Masakata Watanabe顎2ヵ月、下顎1ヵ月とした。導入前91本、導入後108本の解析をした結果、治癒期間を3分の1にしたにもかかわらず、上下顎とも、二次手術時のISQは、光機能化群のほうが著しく高かった。ISQ値が5%以上、10%以上、増加したインプラントの頻度も、光機能化群で高かった。導入後のISQ増は、特に下顎において顕著に見られた。これらの結果は、光機能化が骨結合を有意に促進することを証明し、インプラントの骨稙を加速させるばかりでなく、そのレベルも上昇させるという臨床的に非常に意義のある結果をもたらしたと考える。光機能化により細胞の接着が3~5倍に増えるといった基礎研究結果と合致する臨床結果が得られたと考える。たとえば上顎臼歯部において、より顕著で持続性のある優位性を示した。また下顎臼歯部では、より加速したISQの増加を示した。全体を平均しても、増加率は光機能化によって2倍以上であった。埋入時のISQ別に分類した場合、埋入時ISQが70以下のとき、従来の報告と比べて、光機能化インプラントのISQ増加は、3~30倍と圧倒的であった。また、光機能化は、TiUniteサーフェスをもつ同社の各種インプラントタイプ、またどの長さにおいても有効であった。 結論として、光機能化は、インプラントのマクロ形態、長さ、部位、骨タイプに影響を受けず、一貫して、顕著な効果を示すことが明らかとなった。プロトコールよりも早期の荷重を適用した。平均荷重時期は、2.5ヵ月であった。その結果、光機能化インプラントの成功率は、98.0%と高いものであった。もし早期荷重していなければ、光機能化でロストしたインプラント体は原因不明の1本のみであったと考察された。 臨床データより、光機能化された陽極酸化インプラントは、同社のHAインプラントと同等または条件が良ければ、それ以上の短い治癒期間での治療が可能で、しかも高い成功率を示すことが示唆された。今後は、HAコートインプラントにおける光機能化の効果も併せて検討していくつもりである。 光機能化の効果を定量するために、光機能化導入前後におけるオステルISQ値を比較した。なお、インプラントはTiUniteサーフェスであり、ISQ値は、埋入時と、二次手術時に計測し、二次手術の時期は、光機能化導入前は上顎6ヵ月、下顎3ヵ月を基本とし、導入後は、上 当院にて光機能化導入後に埋入したTiUniteサーフェスをもつインプラント、244本の安定度をオステルISQ値によって評価した。全平均は、埋入時74.3から、二次手術時80.6へと有意に増加した。部位別の比較でも、光機能化はより高いISQ値を示し、より不利な条件の時、 光機能化導入後、1年5ヵ月の間に埋入された京セラメディカル社(旧日本メディカルマテリアル社)製の陽極酸化インプラント411本について、多角的に解析した。オステルISQ値をモニターしながら、従来用いていた149─Vol.20,No.3,2013493

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