QDI 2016年7月
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― インプラント周囲骨吸収に対する新たな見解 ―大特集宮本郁也/神保 良/黒嶋伸一郎/黒江敏史/澤瀬 隆 インプラント周囲炎は周囲骨吸収を特徴とする、代表的な生物学的併発症である。歯周炎のモデルをインプラント周囲に当てはめた<インプラント周囲炎の原因は感染>とする報告が数多くなされている。しかし、情報に敏感な本誌読者は、「インプラント周囲炎の原因は必ずしも感染だけではないと主張する人達がいる」といった話を耳に挟んだことがあるかもしれない。 本特集で取り上げるEsteponaコンセンサスの源流を辿ると、オッセオインテグレーテッドインプラントの開発者の一人であるTomas Albrektsson教授に行き着く。教授は以前よりインプラント周囲炎に歯周炎の病態を当てはめることに否定的であり、骨吸収に関する独自の仮説を提唱してきた。 本特集では、Esteponaコンセンサスの内容とその特徴、またAlbrektsson教授が「インプラント周囲炎」と「オッセオインテグレーション」を現在どのように捉えているかを紹介することを目的とした。いまだ完全に解明されたとは言いがたい「インプラント周囲炎」に関して、虚心坦懐に多角的かつ建設的な議論を行うための情報を提供したい。(黒江敏史)企画趣旨14Quintessence DENTAL Implantology─ 0506

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