QDI 2016年7月
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予後10年以上の長期インプラント症例を再評価する  竹下賢仁本症例における治療の経過(2002年3月~2016年2月)予後10年以上の長期インプラント症例を再評価するAGCコーヌスコンセプトを用いてインプラント治療を行った症例の長期予後竹下賢仁 東京都開業:たけした歯科 サクセスインプラントセンターI.O.R.(Institute for Oral Reconstruction)初診2002年3月32歳2014年5月45歳2014年6月45歳2016年2月47歳2014年10月45歳2003年2月33歳1回目の治療終了はじめに インプラント補綴においては機能性、永続性、清掃性、さらには審美性を考慮し、治療計画からメインテナンスまでを系統立てて立案しなければならない。また、欠損状態や患者のライフステージを勘案し、上部構造体装着様式を選ばなければならない。筆者は機能性や清掃性、上部構造体修理を含む永続性がもっとも重要であると考えている。長期的にインプラント補綴を機能させるために、われわれはインプラントとアバットメントの接合様式を理解し、その上部構造体の装着様式を選択する必要がある。  本稿では多数歯欠損におけるインターナルジョイントタイプのインプラントに対し、Auro Galvano Crown(AGC)コーヌスコンセプトを用いた症例の長期予後を振り返り、その有用性を考察してみたいと思う。インプラント治療を希望して来院。悪性リンパ腫の加療の影響から永久歯は未完成で、患者も不安そうな表情を浮かべていた。2011年に1インプラントを撤去、2014年に1が脱落した。34部にインプラントを追加埋入した。患者は素敵な笑顔でイキイキと生活している。追加埋入した2本のインプラントにカスタムアバットメントを締結し、上部構造体を修理・装着。抜歯を行い、インプラントを埋入した。上顎はAGCコーヌスコンセプトを用いた術者可撤式で、下顎はセメント固定式上部構造を装着。インプラントの脱落インプラントの追加埋入初診より14年経過上部構造体修理570549 ─Vol.23, No.4, 2016

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