QDI 2016年11月
5/8

予後10年以上の長期インプラント症例を再評価する  三好敬三予後10年以上の長期インプラント症例を再評価するAll-on-4コンセプトでインプラント治療を行った症例の長期予後三好敬三 東京都開業:三好デンタルクリニックデンタルコンセプト21会長はじめに 無歯顎症例のインプラント治療における問題点として、治療期間中に可撤式の仮義歯を装着するか、歯のない状態で過ごさなければならないことが挙げられる。そのため患者は不自由な期間を強いられることになる。特に高度骨吸収症例においては、サイナスリフトやブロック骨移植が必要になり、さらにその期間は長くなる。 これらの問題点を改善し、骨造成なしで、抜歯後即時インプラント埋入、即時荷重を可能にした治療がAll-on-4である。 筆者は、2003年に開発者であるポルトガルのPaulo Maló先生のもとでAll-on-4コンセプト1〜4)を学び、それを遵守して治療を行ってきた。今までのAll-on-4治療を振り返って評価するとともに、現在行っているAll-on-4治療を分析していきたいと思う。本症例における治療の経過(2005年7月~2016年1月)初診抜歯下顎インプラント埋入2005年7月2006年1月2005年9月2006年3月2005年12月2016年1月重度歯周病により保存不可能と診断All-on-4にて治療を計画抜歯した後に、下顎に4本のインプラントでAll-on-4を行う2007年に審美的理由により上部構造を変更。チッピングが起こったため、一部ジルコニアに変更。上顎に4本のインプラントでAll-on-4を行うPIBチタンフレームに硬質レジン歯の人工歯を排列し装着した。上顎インプラント埋入最終補綴物装着時初診から11年経過490869 ─Vol.23, No.6, 2016

元のページ 

page 5

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です