QDI 2016年11月
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連 載 series Dr.寺西が徹底解説!無歯顎インプラント治療に生かせる総義歯補綴臨床の基礎知識無歯顎インプラント上部構造の種類、具備すべき条件とその選択寺西邦彦東京都開業:寺西歯科医院日本顎咬合学会会員(指導医)/S.J.C.D.International 常任理事/スタディーグループ赤坂会顧問/Academy of Osseointegration 会員/O.S.I. 東京主幹第2回1はじめに 前回は、総義歯補綴臨床を基礎とした無歯顎インプラント補綴というテーマで、無歯顎症例の実態と総義歯補綴の問題点などに関して解説した。今号は、無歯顎インプラント補綴症例にフォーカスを当てて話を進めていきたい。2無歯顎インプラント上部構造 インプラント上部構造に関してはさまざまな分類があるが、まずは装着方法による分類を考えてみよう。 口腔内への装着には大別して、可撤性すなわちインプラント・オーバーデンチャーと固定性とが存在する。そして固定性にはFixed Type(最終合着タイプ)とRetrievable Type(術者可撤性)とがあるが、無歯顎症例においては、長期的な対応を考慮した場合、Fixed Typeは考えられないため、Retrievable Typeがおもに用いられると思われる。 Retrievable Typeには、スクリューで固定されるScrew Retaining Typeと、仮着セメントにより固定されるTemporary Cementation Typeとがある(表1)。そして、両者にはそれぞれ、利点および欠点がある(表2、3)。表1インプラント上部構造、装着方法による分類可撤性患者可撤性(インプラント・オーバーデンチャー)固定性Fixed Type(最終合着タイプ)Retrievable Type(術者可撤性)Screw Retaining TypeTemporary Cementation Type72Quintessence DENTAL Implantology─ 0892

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