QDI 2017年5号
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特集1松田 哲(Satoru Matsuda)明海大学歯学部機能保存回復学講座オーラルリハビリテーション学分野PDI 東京歯科診療所術 前二次手術一次手術補綴処置骨結合期間メインテナンス表1 インプラント治療の各治療ステージにおける痛みと対処法—インプラント治療における麻酔の基礎と術前術後の患者対応から— 患者の痛みをコントロールする 「痛み」には、実際に注射針の粘膜への刺入時や、熱いものに触れてとっさに手を引っ込めるなど痛覚をはじめとした感覚的な側面と、不安・恐怖・過去の経験などの影響を受ける情動的・感情的な側面がある1)。 感覚的な痛みは実際に身体に危害が加わった際に感じる痛みであり、危害刺激より身体を守るために必要な反応である。また、情動的・感情的な側面は、歯科治療に恐怖心のある患者が、恐怖心・不安などにより通常痛みを感じないような刺激にも鋭く反応するものである。不安・ストレスは痛みの閾値を低くし、痛みを増大する。 インプラント治療においては、インプラント埋入時の外科手術にともなう疼痛だけではなく、術前、骨結合期間、印象時、補綴処置時、メインテナンス時と各治療ステージで「痛み」が存在する(表1)。 しっかりと治療計画を立案し、術前術後のケアを行ったケースでは、痛みを訴えられることは少ない。 本稿ではインプラント治療にまつわる「痛み」に対して、われわれが日々実践している対応を紹介したい。情動的・感情的痛み(あり)ありありあり(あり)あり・局所麻酔刺入痛・術中疼痛・術後疼痛感覚的痛み・局所麻酔刺入痛・術中疼痛・術後疼痛・印象時痛・上部構造脱着時・咬傷・インプラント周囲炎・信頼関係確立・インフォームド・コンセント・患者教育・表面麻酔・麻酔テクニック・鎮静麻酔・手術手技・鎮痛剤投与・術後アイシング対処法・表面麻酔・麻酔テクニック・鎮静麻酔・手術手技・鎮痛剤投与・術後アイシング・二次手術時印象・粘膜完全治癒前のプロビジョナル固定装着・カスタムインプレッションコーピングの使用・フィクスチャー内部の洗浄・テンポラリーレストレーション・テンポラリーインプラント・即時補綴・ナイトガードの使用・上部構造洗浄・フィクスチャー内部の洗浄・適切なメインテナンスはじめに28Quintessence DENTAL Implantology─ 0760

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