QDI 2017年5号
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 1994年にSummersが、垂直的既存骨量6~7mmに対して、歯槽頂から上顎洞底骨と上顎洞粘膜をオステオトームで挙上し、骨造成とインプラント埋入を同時に行う方法(以下、同時法)を提唱した1)。また、ITI Treat-ment Guideによると、側方アプローチか歯槽頂アプローチかの決定は、垂直的既存骨量6mmが境界になっている2)。 本稿では、おもに垂直的既存骨量4mm以上6mm未満の上顎臼歯部に対し、歯槽頂アプローチによる上顎洞底挙上術を行い、標準とされる長径10mmのインプラントを十分な新生骨を確保して埋入する術式「歯槽頂アプローチ段階法」を紹介する(図1)。大きな挙上が必要となる場合は、填塞時期を2回に分けることで、洞粘膜の損傷リスクを下げることができる。 はじめに図1 歯槽頂アプローチ段階法を選択する際のガイドライン。4mm以上6mm未満4mm未満6mm以上側方アプローチ歯槽頂アプローチ同時法歯槽頂アプローチ段階法*インプラントの選択基準:φ3.75〜4.7mm、長径10〜12 mmとする。既存骨量 による段階法 による段階法590791 ─Vol.24, No.5, 2017

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