QDI 2017年6号
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特集2田邉憲昌(Norimasa Tanabe)小山田勇太郎(Yutaro Oyamada)近藤尚知(Hisatomo Kondo)岩手医科大学歯学部 補綴・インプラント学講座 補綴・インプラント学分野 口腔インプラント治療においてブラキシズムは上部構造の破損や、スクリューの緩み、インプラント体の破損などのトラブルに影響する因子と考えられており、睡眠時のインプラント上部構造の保護を目的としてナイトガードの装着が推奨されている1、2)。多くの臨床現場では、夜間の音の発生するグラインディングを主体としたブラキシズムに注目が集まり、日中覚醒時のブラキシズムについては見落とされがちである。 その要因としては、夜間のブラキシズムに関しては睡眠時ポリソムノグラフを用いることで正確な測定が可能である(表1-1)一方で、クレンチングを主体とする日中のブラキシズムは有効な調査法がなく、自覚もしづらいことが挙げられる(表1-2)。 近年、日常生活環境下で咀嚼筋の筋活動を測定可能な携帯型筋電計が開発され、日中のブラキシズムに関する検査が行えるようになった。 本稿では、携帯型筋電計を用いて明らかとなった日中のブラキシズムと口腔インプラント治療の予後について症例を供覧しながら考察してみたい。はじめにインプラントに悪影響444を及ぼす 日中覚醒時の クレンチングを考える50Quintessence DENTAL Implantology─ 0954

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