QDI 2017年6号
5/8

特集3本インタビューでは、1981年にTomas Albrektsson教授(イエテボリ大学)が提唱したオッセオインテグレーションを獲得するための6つの重要な因子1)(図1)の中でも特にインプラントの表面性状、デザイン、骨量・骨質、補綴・荷重条件を軸に、オッセオインテグレーションに関して澤瀬教授にお話を伺っていきたいと思います。まずは、ご自身がスウェーデンに留学されたところからお聞かせいただけますか。 私がスウェーデンに留学したのは1996年11月から2年間ですから、20年以上前になります。当時、インプラント研究では、前掲の「オッセオインテグレーションを獲得するための6つの重要な因子」の一つである「インプラントの表面性状」に注目が集まっていました。イエテボリ大学でもAnn Wennerberg先生が系統だった動物実験で、ある一定の表面粗さがインプラント表面での骨形成に有利だということを実証し2)、「過度に粗い表面はチタンイオンが溶出し骨形成を阻害する」という仮説を立てていました。当時、私は長崎大学でさまざまなインプラント表面の腐食に関する研究を行っていたので、留学を受け入れてもらえたのかもしれません。当時、日本国内の市場ではどのような表面性状が主流だったのでしょうか? ブローネマルクインプラント(ノーベルファルマ社、現ノーベル・バイオケア社)の機械加工表面とITIインプラント(ストローマン社)のチタンプラズマスプレーが主流だったと思います。のちにAlbrektsson教授とWennerberg先生が、インプラント表面性状を「滑沢」、「中等度粗面」、「粗面」の3つに分類しましたが3)、奇しくもブローネマルクインプラントの機械加工表面は「滑沢」、ITIインプラントのチタン イエテボリ大学で学び、研究したこと〉〉スペシャリストインタビューオッセオインテグレーション論考6つの重要因子を 踏まえてOsseo64Quintessence DENTAL Implantology─ 0968

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る