QDI 2017年6号
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図1 オッセオインテグレーションを獲得するための6つの重要因子。プラズマスプレー(TPS)は「粗面」に相当します。私の留学の時期の前後に、ITIインプラントはTPSからSLA(ブラスト+酸エッチング)に変換し、ノーベル・バイオケアはTiUnite(タイユナイト、陽極酸化)表面のインプラントを上市しました。また、アストラテック社(現デンツプライシロナ社)がTiOblast(タイオブラスト、酸化チタンブラスト)を市場に出し、各社のインプラント表面性状が、いわゆる「中等度粗面」に相次いで一新されました。表面性状の観点としてはちょうど過渡期に、先生はイエテボリに留学されたのですね。 大学と企業が同じ方向を見て密接に連携し、大学での研究成果が製品に反映されるのを目の当たりにしました。いわゆる“産学連携”ですが、単なる連携ではなく、「産」の明確な「新たなインプラント表面性状開発」の指向とともに、「学」も細胞・タンパクレベルから生体材料を評価する基礎医学研究今回のスペシャリストインタビューでは、本誌の人気欄の1つである海外の最新文献を紹介する「FOCUS ON JOMI」の翻訳を長年務める澤瀬 隆氏に満を持して登場いただいた。氏はスウェーデンのイエテボリ大学に留学し、当時綺羅星の如く居並ぶ泰斗たちの薫陶を受けた経験をもつ。中でも、師事したTomas Albrektsson先生には大きな影響を受けたと語った。そこで、本企画では澤瀬氏が研究を進める骨質や骨の配向性の要素も含め、“オッセオインテグレーション論考”と題して話を伺った。(編集部)▽澤瀬 隆(Takashi Sawase)長崎大学大学院医歯薬学総合研究科展開医療科学講座口腔インプラント学分野インプラントの材質インプラントの材質❶❶インプラント表面性状インプラント表面性状❷❷インプラントデザインインプラントデザイン❸❸骨量・骨質骨量・骨質❹❹外科手技外科手技❺❺補綴・荷重条件補綴・荷重条件❻❻integrationオッセオインテグレーション論考―6つの重要因子を踏まえて―650969 ─Vol.24, No.6, 2017

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