QDI 2018年1号
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100の患者監視装置は、一般歯科治療やインプラント手術を行う際のモニタリングにも使用される。1.血圧計 血圧計には、水銀柱血圧計、アネロイド型血圧計、自動血圧計など、さまざまなタイプがあるが、患者監視装置には自動血圧計が組み込まれている。自動血圧計は、オシロメトリック法を利用して収縮期血圧、平均血圧および拡張期血圧を測定するものが一般的である。水銀柱血圧計やアネロイド型血圧計のように送気球を操作する手間がなく、一定の測定間隔で繰り返し血圧を測定することができる。手術時などでモニタリングを行う際には、血圧の急な変動が起こる可能性があるため、通常5分間隔で血圧測定を行う。 正確な測定を行うために注意すべきポイントを図2に示す。まず、適切なサイズ(幅)のマンシェット(カフ)を選択する。標準となるマンシェットの幅は、測定部位である上腕直径の約1.2らのストレスにより、血管迷走神経反射や異常血圧上昇などの全身偶発症が生じることもある。全身偶発症を未然に防止するためには、術前に患者の全身状態を適切に評価し、必要に応じて血圧や脈拍などのモニタリングを行うことにより、バイタルサインの異常変化を早期に発見して適切に対応することが重要となる。 連載第1回目では、血圧計、パルスオキシメータ、心電図などのモニタリング機器の使い方に関する基本的事項と、どのような患者においてモニタリングを行うべきかについて解説する。1モニタリング機器 一般的に入院患者や手術時のモニタリングに使用される機器(患者監視装置)には、血圧計、パルスオキシメータおよび心電図が組み込まれている(図1)。機種によっては、さらに体温や呼気中の二酸化炭素分圧を測定する装置を備えているものもある。これら0連載を始めるにあたって インプラント治療、特にインプラント体の埋入術を受ける患者では、手術に対する不安や緊張といった精神的ストレスを抱えているだけでなく、長時間の開口状態維持などの肉体的ストレス状態にあることも少なくない。これインプラント治療時のモニタリングの基礎異常値から読み取るインプラント治療にともなう全身偶発症を生じさせないためのモニタリング活用術澁谷 徹(Tohru Shibutani)松本歯科大学歯科麻酔学講座連 載series第1回図1 一般的なモニター画面。上から、緑が心電図、青がパルスオキシメータの動脈血酸素飽和度、黄色の大きな文字が血圧を示している。Quintessence DENTAL Implantology─ 0100

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