QDT2月
4/8

「ダイレクトクラウン」は自費診療を変えるか? ―その使いどころを考える―している。 この、デジタル化への流れは止むことはないであろう。数年前までは筆者の歯科医院でもエックス線写真はアナログで、歯科衛生士が薬品を使って手現像を行っていたが、それも今やみられなくなった。最近では求人広告を見た歯科衛生士が、「レントゲンはデジタルですか?」と確認してから面接に来るほどである。いかにアナログエックス線写真が歯科衛生士に嫌われていたか、再認識させられるエピソードである。 そんな矢先に発売されたのが、本稿で紹介する「3M ESPE ダイレクトクラウン」である。シリコーン印象材、さらには光学印象装置を販売しているメーカーがこうした製品を発売するということは、エックス線フィルムの手現像が多くの歯科医院から姿を消したのと同様に、印象材や石膏すら置かれなくなる近未来の歯科医院を、あと数年で実現させようとしている3M社の意気込みを感じる。また、本品は上述の光学印象装置のように大きな初期投資を必要とせず、手持ちのコンポジットレジン用光照射器と数本の研磨用のバーなどがあれば、どの歯科医院でもすぐにスタートできる手軽さも魅力である。以下、本稿ではその概要について示していきたい。村岡正弘 Masahiro Muraoka歯科医師・医療法人社団 剣正会 東上野歯科クリニック昭和大学高齢者歯科学教室兼任講師東京都台東区東上野3‐18‐7 上野駅前ビル3Fクラウン」 は変えるか?― その使いどころを考える ―

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です