QDT2月
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114Pressは支台歯の変色やメタルコアなどの影響を受けやすく、インゴットの選択を誤ると、狙った色調とは大きくかけ離れた補綴物になってしまう。本来、そのような変色支台歯やメタルコアなどにオールセラミックスを適用する場合は、ジルコニアコーピングを使用することが推奨されるであろう。しかし、医院の方針や患者の予算など、諸事情によりIPS e.max Pressしか選択できない環境もあると思われる。筆者もそういった状況になることが多い。そこで本稿では、変色支台歯やメタルコアの前歯部欠損補綴にIPS e.max Pressを用いる際のポイントについて解説していきたい。 昨今の歯科治療において、技術・材料の発展は目覚ましいものがある。それにともない、審美面を優先させるような欠損部位に関しては、オールセラミックスが第一選択肢になってきている。 オールセラミックス用の材料の中でも、IPS e.max Press(Ivoclar Vivadent)は天然歯に近い透過性と臨床上十分な強度を有した材料である。また、CAD/CAMで製作されるジルコニアコーピングを用いたオールセラミックスと比較して、時間・コストの両面で優位な点も、臨床に用いられている理由のひとつであろう。 しかし、高い透過性を有するがゆえに、IPS e.max 第8回 変色支台歯に対してIPS e.max PressのHOインゴットを用いた前歯部審美症例―明日につながるワンポイントテクニック―The Piece of Dental Technology はじめに秋山隆行/スタディグループ:Amorphous株式会社毎日放送歯科診療所大阪府大阪市北区茶屋町17‐1Presenter秋山隆行Takayuki akiyama技工年数:15年1998年 大阪歯科学院専門学校卒業2004年 大阪セラミックトレーニングセンター週末コース(20期)卒業2012年 毎日放送歯科診療所勤務主な受講コース:SJCDテクニシャンコース(6期)、臨床デンチャーマスターコース(2期)、浅野☆塾(9期)所属:大阪SJCD、日本顎咬合学会、新大阪歯科技工士専門学校非常勤講師QDT Vol.39/2014 February page0288

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