QDT2月
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QDT Original ArticleCase report「噛む」から始まる全身の変化─ひとりの患者から感じた補綴治療の可能性─鈴木宏輔株式会社サンデンタルラボラトリー愛知県名古屋市瑞穂区苗代町1‐14はじめに われわれ歯科技工士は日々補綴物を製作しており、それらは歯科医師の手によって患者の口腔内に装着される。 筆者もそうであるが、歯科技工士は一歯単位、もしくは一口腔単位で補綴治療の結果を評価することがほとんどであろう。しかし、そこから一歩引いて患者の全体像を捉えると、また違った形で補綴治療が及ぼす影響が見えてくるのではないかと、今回紹介する症例を担当させていただいて感じることができた。 本症例は補綴治療が患者の全身的な疾患に影響を及ぼしたであろう症例である。ただ、われわれは全身的な疾患の専門医ではなく、知識も乏しい。そのため、影響を及ぼしたのであろうという実感はあるが、それを証明することはできない。さらに、正直なところ、一歯科技工士の立場でこのような内容を執筆することに対する迷いもあったのではあるが、読者の方々も日々の臨床の中で知らず知らずにかかわっているのではないかと思い、ひとつのケースレポートとして紹介させていただくことにした。119QDT Vol.39/2014 February page0293

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