QDT5月
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はじめに “Biological Esthetics”とは、補綴物の生物学的調和がもたらす真の口腔内審美を意味する。筆者は、歯冠部に加え歯肉部にまで配慮することでより高い審美修復結果を得ることができると考えている。補綴治療を成功に導くためには、Esthetic・Biology・Function・Structureといったそれぞれの要件を確実に満たす必要があり、設定した治療ゴールに向けて着実に歩を進めなければならない(図1)。 補綴治療における歯冠修復作業には主に形態表現と色調表現が挙げられるが、その中でも補綴物形態への配慮は必須で、補綴治療に必要なすべての要件に通じている。その要件とは、①生物学的調和を導く形態、②構造力学的に安定した形態、③機能的形態、④審美的形態の4つであり、色調面に関しては特にEsthetic(審美)に限局された課題といえる。本編では、生物学的・審美的調和を獲得するために必要な各種条件を提示し、補綴操作における可能性と限界点についても触れながら、これまでの臨床を断片的に振り返ってみたい。Feature article #2Biological Estheticsby Gingival Framework Design―歯列に調和した辺縁歯肉形態への配慮と設計―

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