QDT5月
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技工用光重合器の光源は以前よりハロゲンランプが主流であるが、ランプの寿命が短い、重合に時間がかかる、さらに、ランプからの発熱が大きいなどの欠点があった。 その欠点を補うHID系(水銀・キセノン・メタルハライド)※1の重合器も登場しているが、これらは重合器本体も、そして交換用のランプも高価であった。 一方で、チェアサイドで使用されているCR用光重合器においては、数年前からすでにLEDのものが主流となっている。広告では5秒、10秒など、技工用のそれとは比較にならない照射時間の短さがPRされている。 では、なぜ技工用はLEDの光重合器が普及しなかったのか? CR用照射器は先端から5mm程度の範囲で使用される。光の強さは距離の2乗に反比例するため、技工用重合器において照射器からレジンまでの距離を仮に50mmとすると、10倍の2乗、つまりCR用照射器が100個程度必要になってしまう。 また、CR用照射器の波長は400~500nmのものが多く※2、技工用HID系(水銀)光重合器では400nm以下※3の波長をカバーしているものもある。これは技工用のレジンや表面滑沢剤、レジンパターンに400nm以下の波長でないと重合しないものがあるからであるが、400nm以下のLEDは高価であり、それを駆動させる電源もまた大変高価なのである。これも、ラボサイドの光重合器にLEDが採用されてこなかった理由のひとつであろう。QDT Original Article金井正行*1/高橋浩哉*2 *1愛歯技工専門学校*2附属愛歯技工研究所*1、2東京都板橋区加賀1‐16‐6技工用光重合器LEDキュアマスターを用いた重合後のレジンの物性と臨床応用はじめに─なぜ、ラボサイドではLEDの光重合器がなかったのか?※1【水銀】トクヤマデンタル:パールキュアライト、【キセノン】ヘレウスクルツァージャパン:ハイライトパワー、【メタルハライド】松風:アクセルキュア ※2【波長 440~490nm】ブルーショット:松風、【波長 430~480nm】エリパー LED光重合器:3M ESPE,スリーエムヘルスケア、【波長 400~465nm】G-ライトプリマⅡ:ジーシー※3【波長 380~550nm】トクヤマデンタル:パールキュアライト<波長の数値は各社のカタログより>116QDT Vol.39/2014 May page0764

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