QDT5月
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技工用光重合器LEDキュアマスターを用いた重合後のレジンの物性と臨床応用 しかし、ついにラボサイドの光重合器でもLEDの光源をもつものが販売された。それがLEDキュアマスター(デンケン,山本貴金属地金)である(図1、2)。本重合器は全40個のLEDを装備し、うち8個が400nm以下の紫色LEDであり、その有効波長は375~495nmである(図3)。40個のLEDにより、消費電力の軽減、長寿命化の他にもさまざまな利点があげられる(表1)。 重合時間はデンチン・エナメルが10秒(ハロゲン、HIDは30~60秒)、オペークが30秒(ハロゲン、HIDは60~180秒)と大幅な短縮を実現(数値は、山本貴金属地金のルナウィング、ツイニーを使用した場合。カタログ記載のデータによる)。また、LEDは発熱も少なく、重合室内の温度上昇が抑えられ、レジンの変形を防止しやすい。したがって、ファンも控えめに回るため、他の光源の重合器に比べて静音である(LEDもハロゲンと同様に効率よく放熱させることが寿命に大きく影響する)。だが、なんといっても、この重合器を使用することで、忙しい技工作業の時間短縮ができることが大きなメリットとなるであろう。 次ページからは、このLEDキュアマスターの重合時間と物性についての実験を示す。abcラボサイド用LED光重合器キュアマスターの特徴ハロゲンHID(水銀、キセノン、メタルハライド)LEDキュアマスターランプ寿命△○◎仮(予備)重合時間(デンチン、エナメル)△○◎重合室温度(低温を優とする)△△○重合深さ△○◎静音性(ファン、フラッシュ音)△△◎消費電力(少電力を優とする)△○◎重合器価格(安価を優とする)○△○図1 LEDキュアマスター(右)を示す。左は同社の仮重合器PREキュアマスターを示す。図2 全40個のLEDを装備し、うち8個が400nm以下の紫色LEDである(写真提供:デンケン)。表1 各光源の重合器の比較。波長(nm)400紫外赤外500チェアサイド用(ブルーショット)LED キュアマスター技工用(パールキュアライト)600700800図3 チェアサイド用重合器(ブルーショット)の波長は、約440~490nm。技工用HID系(水銀)光重合器(パールキュアライト)は380~550nm。LEDキュアマスターは375~495nm。117QDT Vol.39/2014 May page0765

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